「釜石の夏」未来につなぐ〜よいさ活性化プロジェクト、のぼり旗掲げメッセージ
復興釜石新聞アーカイブ
釜石の夏を感じてもらおうと設置されたのぼり旗
釜石よいさ実行委員会(近藤和貴実行委員長)は1日、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった今年の祭りの代替企画として「釜石よいさ活性化プロジェクト2020」をスタートさせた。釜石市の中心市街地を、昨年の参加団体の写真などを掲載したのぼり旗で装飾。祭りの歴史をまとめた映像の製作・放映なども行い、3密を避けた形で「釜石の夏」を未来につなぐ。
初日は、例年開催場所となってきた大渡町から只越町の目抜き通りに68本ののぼり旗を設置した。昨年の参加団体の写真や協賛企業名を掲載した34種類。「次の夏に会いましょう」と、参加や協力への感謝とまちのにぎわいへの願いを込めたメッセージを添えた。
設置作業には実行委メンバー10人が参加。赤、紫、青、黄など7色のカラフルなのぼりは、お盆明けの17日までまちを彩る。
作業の様子を見つめていた高齢の女性は「コロナの不安もあるけど、少しくらいはいいよね。祭りはないけど、明るい気持ちになる」と穏やかに話した。
映像は、三陸ブロードネットの協力を得て2003年~08年、13~19年の祭りを2本に分けて製作した。各2時間。新日鉄釜石の高炉休止を機に1987年、市民有志がまちに元気を生み出そうと始めた「夏の風物詩」を振り返ることができる。
過去の参加団体が寄せた応援メッセージも収録。釜石市役所本庁舎や各地区生活応援センター、シープラザ釜石、釜石情報交流センターなど市内公共施設で随時放映する。
市内の一部飲食店で「よいさのお囃子(はやし)」(CD)を店内BGMとして流す企画も。市民に夏を感じてもらう取り組みを展開する。
よいさは東日本大震災で11、12年の2年間休止したが、地域の若手有志が中心となり、13年に復活させた。「踊り継ぎたい夏がある」をスローガンに続けてきたが、今年はコロナにより中止。それでも、震災から10年目の夏、コロナに屈せず新たな形で伝統をつなぐ。
近藤委員長(37)は「よいさは釜石の同窓会。踊ることはできないが、語り継ぐ夏にしたい。のぼりや映像を通じて夏を思い出したり、集える日を想像してほしい」と思いを込めた。
(復興釜石新聞 2020年8月8日発行 第898号より)
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