かわいい保護猫 譲ります、保健所が後押し〜譲渡活動の普及啓発へ、譲渡後の支援もメリット
保護猫と新たな飼い主の出会いの場となる譲渡会
釜石保健所で保護した猫たちの譲渡会は18日、釜石市大渡町の「保護猫アンドゥ」で開かれた。生後3カ月の子猫から成猫まで10匹を集め、参加者が自由に見学。会場では譲渡前講習会も行われ、受講した1組が新たな飼い主になることを決めた。
譲渡会は、保護猫の譲渡促進、譲渡活動の普及啓発を図るのが狙い。県沿岸広域振興局保健福祉環境部が主催し、動物愛護団体「人と動物の絆momo太郎」が共催した。
保健所管理の保護猫を一時預かりしているアンドゥが、個性派ぞろいの猫たちの特徴を紹介。少し人見知り、穏やかでのんびり屋、食いしん坊、甘えん坊―。参加した親子連れらが猫の様子を見て回った。
保護猫は病気の検査やワクチン接種、避妊・去勢手術を受けさせている。成猫は▽落ち着いている▽手がかからない▽性格が分かっている―のがメリット。飼う時の注意点が明確で、飼い主の生活スタイルを考慮しながら選ぶことができ、初心者向けだという。
試し飼いも可能。1週間ほど一緒に暮らし、問題がなければ正式に譲渡されるという。
アンドゥの鈴子真佐美責任者は「釜石地域では殺処分をしないよう、保健所が一般の団体と連携し世話、譲渡する流れを作っている。こうした取り組みは珍しく、保健所の柔軟性を知る機会になれば」と強調する。
今回決まった譲渡先は初めて猫を飼う家庭で、今後しばらくはアンドゥで飼育の仕方など助言を受ける予定。同保健所上席獣医師の奥村亮子さんは、民間団体との連携で譲渡後の支援が可能になることもメリットだとする。
譲渡会は定期的に開催していく考え。奥村さんは「飼い続けてもらうためにも見て、触れて、慎重に決めてほしい。飼い方を聞いたり、心配事を話し解決方法を考える、情報交換する場になれば」と気軽な参加を呼び掛ける。
次回は8月29日に開く。同じ会場で、時間は正午から午後2時まで。参加費や事前の申し込みは不要。
(復興釜石新聞 2020年7月25日発行 第896号より)
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