鵜住居「いのちをつなぐ未来館」、開・閉館知らせる看板作り 施設をより身近に


2020/07/28
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

看板づくりに取り組んだ子どもたち

看板づくりに取り組んだ子どもたち

 

 釜石市の「かまいしDMC」が指定管理者として運営する鵜住居町の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」は、地元の子どもたちの協力を得て、開館・閉館を知らせる看板を製作している。身近な風景を表現し、分かりやすさを重視。夏休み前までに完成させる考えだ。

 

 未来館ではA3サイズの紙に印刷しラミネート加工したものを掲げて開館、閉館を示している。来館者から多く聞かれたのは「開いているのか閉まっているのか、分かりづらい」との声。施設の利用しやすさ向上のため、今回の看板づくりを企画した。

 

 ここに伝承施設はあるが、地域には東日本大震災を知らない子どもが増えている―。伝える活動の課題の一つと捉えているのは、未来館スタッフの川崎杏樹(あき)さん(24)。製作活動を通じ、施設を訪れるきっかけに、より身近に感じてもらいたいと、子どもたちの力を借りることにした。

 

 鵜住居地区で放課後子ども教室を開いている一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校(伊藤聡代表理事)の協力で、6月下旬に製作を始めた。3回目の活動は7月9日、鵜住居公民館川目分館で実施。鵜住居小児童4人が参加した。

 

 現在進行するのは「CLOSE(閉館)」を知らせる看板。青い海と空をテーマにした画を描き、砂浜は根浜海岸の砂や貝殻などを使って表現している。

 

 川崎心花(ここな)さん(2年)は「色を作ったり、貝殻を貼って楽しかった。かわいいのができた」と満足そうだった。

 

 釜石産のサクラなどを加工した板(縦86センチ、横42センチ、厚さ約5ミリ)を使用。釜石地方森林組合が提供した。

 

 今後、「OPEN(開館)」も製作。テーマは山や森で、緑や茶で色づけし、葉っぱや木の実などを使って自然の豊かさを表する。

 

 川崎さんは「開館中かそうでないか、文字だけでなく、色でも区別できるよう工夫してもらった。作った看板がどんな風に活用されるか、楽しみに来てもらえたら」と期待する。

 

 未来館では地域の大人たちにも製作協力を依頼。近くにある復興住宅入居者らが「何か手伝いたい」と望んでいることを知ったからで、鵜住居地区生活応援センターと連携し活動を計画している。

 

(復興釜石新聞 2020年7月18日発行 第895号より)

 

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