「新しい生活様式」を標語に、子どもらの視点でアピール〜釜石警察署と上中島児童館が連携企画


2020/06/26
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

安全と感染症対策を組み合わせた標語に対応したポスターを描いた児童が名誉署員に

安全と感染症対策を組み合わせた標語に対応したポスターを描いた児童が名誉署員に

 

 新型コロナウイルス対策の「新しい生活様式」の定着が進む中、子どもたちの視点で安全を考える標語・図画展が6月いっぱい、釜石市港町のイオンタウン釜石2階のイベントスペースで開かれている。釜石警察署(仲谷千春署長)と市立上中島児童館(佐藤悦男館長、登録児童30人)が連携し、「現在の防犯と安全課題」をアピールしている。

 

 釜石署は感染症対策が日常化したことを受け、治安維持の必要性を市民に伝える広報活動を企画。治安課題と感染症対策を意識した標語を選び、同署庁舎などの見学体験で交流があった同児童館を利用する双葉小児童が作画を引き受けた。

 

 色鉛筆で完成した作品は6点。4日、児童館の女子児童3人らが会場での開会式に参加した。仲谷署長が「名誉釜石警察署員賞」を贈り、協力に感謝。「難しいテーマにもかかわらず、秀作ぞろい。多くの住民に、この絵を見て、感染症対策に少しでも明るく、優しい気持ちで取り組むよう願う」と語った。

 

 作品のテーマは、「交通安全」が▽車間距離の確保▽県外への移動自粛▽速度超過への警戒。「生活安全」では▽外出時はカギ掛けとマスクの着用▽手指消毒の徹底と違法薬物の追放▽感染症予防とテロ対策への協力。ラグビーワールドカップ(W杯)、ラグビーボール、市のキャラクター「かまリン」をアレンジして「釜石」を強調する作品もある。

 

 かまリンをモチーフにした小山幸亜さん(3年)は「お出かけはマスクと鍵かけ忘れずに」の標語に挑戦。本来は左手に持つ市の花ハマユリをキーに変え、マスクにはラグビーボールを描き込んだ。昨年秋のW杯釜石会場では全校でフィジー対ウルグアイ戦を観戦、応援しており、マスクにはラグビー会場のイメージも持たせた。

 

 中村優美さん(5年)は「人も車も距離を確認して安全に」のテーマを選んだ。2人の子どもが感染予防の安全距離を保ち、下段には3台の縦列車の中央にバツ印を入れて「安全な車間距離の保持」をアピールした。

 

 黒澤菜々子さん(5年)は「見てくれるみんなに伝わるよう工夫し、協力して描いた。感染対策や、防犯を意識してもらえばいい」と期待した。

 

 日常の学校生活、家庭生活でも以前にはなかった規制や注意事項に囲まれる児童。中村さんは「みんなの命が大切だから、できることをする。家族で県外にも行かない」。黒澤さんは「今は我慢して、後でたくさん楽しむ」と笑顔を見せた。

 

(復興釜石新聞 2020年6月20日発行 第891号より)

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