根浜海岸再生へ活動、釜石東中学校〜今秋の植栽へ種まき、地元実行委と連携

復興釜石新聞2020/06/25

根浜に植える海浜植物の種をまく釜石東中の2年生

根浜に植える海浜植物の種をまく釜石東中の2年生

 

 震災の津波で減少した釜石市鵜住居町根浜海岸の海浜植物を再生させる取り組みが今年もスタート。種から育てた苗を現地に植える活動に協力する釜石東中(米慎司校長、生徒107人)で17日、同海岸の植生を学ぶ座学と種まきが行われ、1、2年生68人が地元の原風景復活に意欲を高めた。

 

 同校では、震災後の海辺環境再生へ官民で取り組む根浜海岸林再生実行委(前川昭七会長)と連携し、2018年から地元由来の海浜植物を育て植え戻す活動に着手。本年度初回となったこの日は、1年生が座学、2年生が種まきを行った。

 

 座学の講師は、震災後、県内海岸の植生調査を行ってきた県立大総合政策学部の島田直明准教授(植生学、景観生態学)。震災の津波による砂浜の変化、海浜植物への影響などを説明し、根浜の海岸林、海浜植生の問題改善策を示した。

 

 県南部の海岸は北部に比べ、地盤沈降による砂浜の減少面積が大きく、海浜植物の種類も少ない。そんな中でも、砂浜が残った片岸海岸と震災前隣接していた鵜住居川旧河口付近は13種の海浜植物が育っており、県南の植生保全を進める上で重要な場所とされる。また、根浜海岸は被災してもマツ林が残り、「白砂青松」が見られる県内唯一の海岸として、その希少性が高まっている。

 

 島田准教授は津波で激減した海浜植物を再び根浜に取り戻す方策として、防潮堤とマツ林の境界スペースに砂を投入(16年県海岸林植栽事業)し、地元採取の種から育てた苗を植える活動を紹介。北側の林には、同様に育てたマツ苗を補植することも明かし、生徒らの協力を求めた。

 

 この後、昨夏、片岸海岸で採取したハマヒルガオ(200粒)、ハマエンドウ(100粒)の種を育苗用のポットに植え付け。発芽を促すため、紙ヤスリや爪切りで種の表面に傷を付ける下準備も体験した。島田准教授らが昨秋、プランターに種まきし、発芽したケカモノハシをポットに植え替える作業も行った。種は2~3週間で発芽し、秋には約10~15センチに成長するという。

 

片岸海岸に自生するハマヒルガオ。根浜での復活に期待!

片岸海岸に自生するハマヒルガオ。根浜での復活に期待!

 

 昨年の座学を経て、今年は種まきを行った佐々木凜さん(2年)は「根浜のような環境の海岸は県内でも少ないので大切にしていきたい。自分たちが率先して活動するのも意義あること。水の管理などをして、きれいな花が咲くよう育てたい」と話した。

 

 同実行委事務局、NPO法人環境パートナーシップいわて(盛岡市)の佐々木明宏専務理事は「釜石の人たちは地元の自然を守ろうという思いが強い。子どもたちの活動は地域の元気の源。豊かな生態系に学びを深め、大事にする心を次の世代につないでいってほしい」と願った。

 

 釜石東中は来月8日に根浜の植栽地の環境整備を全校生徒で実施。学校で育てた苗は10月に2年生が現地に植える予定。

 

(復興釜石新聞 2020年6月20日発行 第891号より)

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