「オール釜石」取り組みを前へ、ワールドカップ釜石開催推進協議会〜W杯効果をまちづくりに、「ナミビア対カナダ」実現目指す


2020/02/20
復興釜石新聞アーカイブ #地域

ラグビーW杯2019釜石開催推進協議会

ラグビーW杯2019釜石開催推進協議会

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催推進協議会(小泉嘉明会長)は13日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで3回目の会議を開催。大会1周年記念事業に向けた取り組みなどをめぐり意見を交わした。同協議会は3月末でいったん解散。来年度に新たな組織を立ち上げ、W杯の成果をまちづくりに生かす「オール釜石」の取り組みを推進する。

 

 釜石市によると、W杯開催1周年記念事業は10月下旬から11月上旬に鵜住居復興スタジアムや市民ホールTETTOなどで開催を予定。昨年10月の台風災害の影響で中止となったナミビア対カナダ戦を改めて国際親善試合として実施することを検討している。新日鉄釜石OBなどによるレジェンドマッチのほか、観戦チケットを購入できなかった人にも1周年記念事業が体感できるようファンゾーンも開設する。

 

 協議会メンバーの中からは「W杯開催で釜石の名は世界にとどろいた。台風で1試合が中止になるアクシデントもあったが、市内の小中学生が大きな自信を得たことは何よりの宝。カナダチームが被災地でボランティア作業に取り組んだことも、改めて釜石が世界から注目される結果につながった。ナミビアとの対戦はぜひ実現してほしい」という声が上がった。

 

 小泉会長は「市内の小中学生が手にした希望を前面に出し、進んでいこう」と呼び掛けた。

 

 市によると、採用した公式ボランティアのうち昨年7月のパシフィック・ネーションズカップとW杯で延べ625人が活動。W杯期間中(9月30日~11月2日)のファンゾーン入場者は当初の見込みを大幅に上回る3万8982人に上った。ラグビーの国際統括団体ワールドラグビーが顕著な貢献をした団体に贈る「キャラクター賞」も受賞した。

 

 野田武則市長は「『ラグビーのまち釜石』のさらなる発展へ一緒に進んで行こう」と呼び掛けた。

 

ワールドカップ県内経済効果113億円、大会前の見込みを大幅に上回る

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催実行委のまとめによると、W杯に伴う県内への経済波及効果は113億4500万円に上ることが分かった。同実行委が調査を委託した岩手経済研究所の試算。総効果額は、大会前の16年度に試算した83億2千万円を30億2500万円も上回る。

 

 経済波及効果のうち約6割は、試合会場となった釜石鵜住居復興スタジアム建設に伴うもので、建設費は70億2千万円。大会運営費は35億4900万円。昨年7月のパシフィック・ネーションズカップとW杯、ファンゾーンなどの来場者消費支出は7億7800万円とした。

 

 主な産業分類別では建設が51億6600万円、業務委託などの対事業所サービスは16億3600万円、運輸・郵便8億2千万円、飲食や宿泊施設など対個人サービス7億7500万円など。

 

 「日本チームの活躍などで盛り上がり、経済波及効果が大きくなった。台風の影響で1試合が中止になり、長期滞在が難しくなる面もあったが、県内事業所にも一定の経済効果があった」と分析している。

 

 一方、釜石市のまとめによると、W杯期間中(9月30日~11月2日)の道の駅など市内公共施設の入り込み数は増えたが、市内主要3ホテルの稼働率は60~75%にとどまり、前年以下となった。

 

(復興釜石新聞 2020年2月15日発行 第867号より)

 

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