ポート・オブ・ザ・イヤーに釜石港〜震災はねのけ 物流躍進


2020/01/31
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

ポート・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した釜石港。ガントリークレーンの導入で物流が飛躍的に伸びている

ポート・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した釜石港。ガントリークレーンの導入で物流が飛躍的に伸びている

 

 公益社団法人日本港湾協会(東京都港区、宗岡正二会長)が、全国の港湾の中から話題づくりや物流で地域の活性化に最も貢献した港に贈る「ポート・オブ・ザ・イヤー2019」に釜石市の釜石港が選ばれ、22日に東京都内のホテルで開かれた表彰式で表彰された。県内で同賞を受けるのは、2004年の大船渡港に続き2港目。市は今回の受賞を受け、釜石港の認知度が向上し、地域経済の発展につながることを期待している。

 

 表彰式では、宗岡会長から野田武則市長に表彰状と盾が手渡された。野田市長は「東日本大震災の逆境をばねとしながら、港湾関係者が努力を重ねた結果が飛躍的な成長につながった。釜石自動車道の開通や三陸沿岸道の整備進ちょくも大きな力となった。今回の受賞を、さらなる飛躍につなげたい」などと述べ、受賞に感謝した。

 

宗岡正二会長(左)から賞状を受けた野田武則市長

宗岡正二会長(左)から賞状を受けた野田武則市長

 

 同賞は同協会の情報誌「港湾」の読者投票で決定。全国の約1千港の中から、「みなと」に関する話題づくりにその年で最も優れた港湾を顕彰する。

 

 釜石港は東日本大震災で被災した釜石港湾口防波堤の復旧事業が完了。ガントリークレーンの導入など港湾機能の向上、東北横断自動車道釜石秋田線の全線開通などによるアクセス性の向上が奏功し、コンテナ物流が急成長。2010年に20フィートコンテナ換算で114個だった取扱量が19年には9292個に達し、同港が前年記録した県内最多記録を更新した。

 

 同港を利用する荷主企業はコンテナ定期航路開設当初の8社から84社に拡大。昨年は、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれたラグビーワールドカップ(W杯)の建設資材の輸送にも貢献した。昨年4月に魚河岸地区にオープンしたにぎわい施設「魚河岸テラス」が同9月、国土交通省港湾局が「みなとオアシス」に登録。11月には入館10万人を達成するなど、地域経済の活性化やにぎわいづくりに大きな成果を上げている点も評価された。

 

(復興釜石新聞 2020年1月25日発行 第861号より)

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