トライアスロンの普及に尽力、東北を代表する大会に拡大〜岩手県体育協会、小林格也さんに功労賞
表彰式で贈られた盾を手に受賞を喜ぶ小林格也さん
公益財団法人岩手県体育協会(達増拓也会長)の本年度表彰で、岩手県トライアスロン協会顧問の小林格也さん(80)=釜石市只越町=が「功労賞」を受賞した。釜石はまゆりトライアスロン国際大会を立ち上げるなど、本県におけるトライアスロン競技の普及・発展に尽力してきたことが高く評価された。小林さんは受賞を励みに、「競技のさらなる普及を」と意気込む。
県体協の功労賞は「本県スポーツの普及振興に多大な業績をあげ、その功績が顕著な人」に贈られる。本年度は市町村体育協会推薦の13人、競技団体推薦の21人が受賞し、先月、盛岡市で表彰式が行われた。
1986年、47歳で競技を始めた小林さんは、87年に県内の競技者と岩手県トライアスロンクラブを発足。地元釜石の競技人口を増やそうと仲間を集め、同好会も作った。釜石では競技自体、ほとんど知られていない中、全国大会開催を目指し、89年に釜石トライアスロン協会を設立(会長就任)。90年、鵜住居町根浜海岸を主会場とする第1回大会にこぎつけた。
3回目からは国際大会として外国人選手も招き、出場者350人規模に拡大。第7回大会には史上最多の430人もの申し込みを記録した。小林さんは93年に設立された県協会でも会長を務め、同大会を東北を代表するレースに育て上げた。
2010年までに21回を数えた大会は、11年の東日本大震災で中断を余儀なくされたが、翌年から復活への取り組みをスタート。15年には22回大会を実現し、16年の岩手国体では、正式競技となったトライアスロンの成功にも貢献した。
同功労賞は所属団体の役員を20年以上務める功績者(故人含む)らが対象。小林さんは釜石協会会長として09年にも受賞しており、今回が2回目の表彰。「1回もらっているので驚いた。今回は震災を乗り越え、活動を継続していることも評価されたのでは」と推測。トライアスロンは国内で大会が開かれるようになって40年に満たない、歴史としてはまだ新しいスポーツ。「普及には時間がかかる。大会を継続することが何より重要。震災後、東北6県の大会は参加者が減った。課題を克服しながら次の世代につなげていきたい」と小林さん。
震災復興10年目となる来年は、根浜海岸の砂浜再生事業が完了する見込み。「今まで以上の大会ができるよう、受け入れをしっかり頑張っていく。小・中学生のちびっこトライアスロンもいずれ復活できたら」。5年後に迎える30回大会を見据え、記念誌発行のため、津波で失った記録の収集にも努める。
本年度の同功労賞は釜石市体育協会推薦で、熊倉扶美雄さんも受賞している。
(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)
釜石はまゆりトライアスロン大会
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