釜石の防潮堤すべて完成〜片岸海岸で銘板除幕、県外からの応援職員に感謝
防潮堤の完成を祝い、感謝の銘板を除幕した関係者
東日本大震災の津波で壊れ、県が復旧工事を進めてきた釜石市と大槌町の防潮堤がすべて完成した。これを受けて9日、釜石市の片岸海岸で、整備事業に携わってきた県外からの応援職員に感謝する会が開かれた。これまでに東京都や静岡県、福岡県から防潮堤の復旧工事に加わった応援職員は延べ約160人。感謝の会は工事を発注した県が主催し、関係者約50人が出席。完成した防潮堤の上を歩きながら、被災地の復興完遂を願った。
感謝の会では、沿岸広域振興局の石川義晃局長が「震災では経験したことのない膨大、困難な課題が発生した。われわれの手だけではなし得なかった大工事を完成に導いてくれた皆さまに厚く感謝申し上げる」と式辞。東京都建設局の奥山宏二道路監、静岡県交通基盤部の長縄知行理事が祝辞として被災地の復興を願う思いを述べた。
沿岸振興局の高橋正博土木部長が工事経過を報告。東京都、静岡、福岡の各県代表者に感謝状が贈られた。最後に、完成した防潮堤に設置される銘板を除幕。秋空に風船が放たれ、拍手で防潮堤の完成を祝った。
「未来へトライ」と刻まれた防潮堤を背に記念撮影
県が釜石市と大槌町で復旧整備した防潮堤は、片岸海岸のほか、水海、釜石港、小白浜の4カ所。延長は約2・8キロにも及び、事業費約276億円が投入された。それぞれ設置される銘板には、支援した1都2県への感謝の思いが刻まれている。
片岸海岸は当初、2015年度末の完成を予定していたが、基礎部分の工法を見直したことなどから、完成が3年半遅れた。完成した防潮堤は、高さ14・5メートル、長さ約820メートル。堤体には、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれるラグビーワールドカップ(W杯)にちなみ、「未来へトライ」と描かれている。
(復興釜石新聞 2019年10月12日発行 第832号より)
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