鵜の郷交流館も10万人〜オープンから7ヵ月、見込みを上回る集客


2019/10/11
復興釜石新聞アーカイブ #観光

鵜の郷交流館も10万人〜オープンから7ヵ月、見込みを上回る集客

 

 釜石市鵜住居町の観光交流拠点施設「鵜(う)の郷(さと)交流館」の入館者数が3日、10万人に達した。ラグビーワールドカップ(W杯)開催効果に加え、団体ツアーの立ち寄り所としての活用、高速道路網の整備で交通の便が良くなったこともあり、当初の見込みを上回る集客数で推移。オープンから約7カ月で達成した。同日、セレモニーがあり、10万人目の入館者に指定管理者のかまいしDMC(社長・野田武則市長)から記念品が贈られた=写真。

 

 10万人目となったのは、東京都武蔵村山市の植竹正義さん(82)、タカ子さん(78)夫妻。東日本大震災からの復興の様子を見る旅の途中で交流館に立ち寄った。前日に釜石入りし、町内の旅館に宿泊。旅館では震災時の映像や経験談を見聞きし、「本当に大変なことがあったのに、立ち直ってすごい。いい所だ」と実感を込めた。

 

 セレモニーでは、くす玉を割ってお祝い。野田市長は記念品、交流館そばの施設で職場体験していた唐丹中の香川美咲さん(2年)が花束を贈った。

 

 数日後に52回目の結婚記念日を迎えるという夫妻。そのお祝いにもなった様子で「こういう場に立ち会うのは、これまで縁がなかった。驚いている。こうした良いことが続けばいい」と笑顔を重ねた。2人は交流館周辺を見て回った後、三陸鉄道に乗車。「動けるうちにふたりで旅を楽しみたい。また釜石に来たいね」と言葉を残し、宮古市方面に向かった。

 

 交流館は鵜住居駅前周辺に整備された公共施設(愛称=うのすまい・トモス)の一つで、3月23日にオープン。特産品や海産物などの物販、飲食の計4店舗、休憩スペースなどが設けられ、地域の魅力発信や交流人口の拡大を推進する。

 

 当初、年間8万1千人の入館者を目標に設定していた。一日の入館者数は300~500人だが、W杯釜石会場第1戦の9月25日は5300人余りと、普段の10倍以上を記録。かまいしDMCでは、開催効果の大きさを実感している。

 

 三陸を巡る団体ツアー客がトイレ休憩などで利用するなど立ち寄り所としての認知、他施設と合わせた利用の多さも、予想を上回る伸びにつながったと分析。かまいしDMC鵜住居トモス運営課の佐々学さん(40)は「W杯後も多くの人に訪れてもらえるよう取り組んでいく」と思いを強めた。

 

(復興釜石新聞 2019年10月5日発行 第830号より)

 

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