待望のスーパー 鵜住居に、「うのポート」オープン初日 住民あふれる〜被災地支援へ「マルイチ」出店、まちなか再生 中核担う

復興釜石新聞2019/09/20

地域住民らが心待ちにした商業施設「うのポート」がオープン

地域住民らが心待ちにした商業施設「うのポート」がオープン

 

 釜石まちづくり会社(谷澤栄一社長)が釜石市鵜住居町に整備した商業施設「うのポート」のオープニングセレモニーが11日、現地で行われた。甚大な被害を受けた東日本大震災から8年半。再生が進む地域、住民生活に欠かせない買い物の利便性を向上させる待望の施設の開店初日は、心待ちにしていた住民らであふれ返った。

 

 うのポートは、鵜住居地区のまちなか再生に向けた中核施設の一つ。同社や市、住民らで土地利用や公共施設の配置など話し合いを重ねる中で整備について検討され、生活利便性の確保、地域に密着した拠点施設として、同社が今年3月から整備を進めた。

 

マルイチ鵜住居店の開店を大勢の人が待った

マルイチ鵜住居店の開店を大勢の人が待った

 

 施設は鵜住居小・釜石東中に近い、国道45号沿いに建設。敷地面積3535平方メートル、鉄骨平屋で延べ床面積は1506平方メートル。周辺の公共施設とともに、地域のにぎわい創出の拠点となる。事業費は約4億5千万円。国の津波立地補助金などを活用した。

 

 核店舗は、盛岡市に本社があるスーパーマーケット、マルイチ(小笠原正吉社長)の鵜住居店(今淵剛店長)。売り場面積約960平方メートルで、鮮魚など生鮮食品を中心に加工食品、酒、日用品などを販売する。午前9時半から午後8時まで営業する。

 

 地区内外で被災した▽二本松石油店(タイヤ販売、灯油配達、釣り具販売)▽リフォームショップ・ランナー(建築・リフォーム業)▽レディースショップ・ラン(婦人服店)▽ほけんの菊池(保険代理店)―が入居。北日本銀行の現金自動預払機(ATM)も構える。駐車場は42台分を確保した。

 

 セレモニーには関係者ら約70人が出席した。谷澤社長は「出店者、地域の力を借りながらにぎわいを生み出すよう維持管理していく」とあいさつ。テープカットの後、地元出身の民謡歌手佐野よりこさんが商売繁盛を願う「秋田大黒舞」を歌い、完成を祝った。

 

関係者がテープカットで開店を祝う

関係者がテープカットで開店を祝う

 

 午前9時半に開店すると店内は買い物客で大にぎわい。レジには、買い物かごいっぱいに商品を詰め込んだ人たちの長い行列ができた。

 
 震災で鵜住居町内にあったスーパーは被災し、仮設店舗で運営したものの数年で閉店。地元の川崎シゲ子さん(79)は車を所有しておらず、離れて暮らす家族らの運転で釜石市の市街地や大槌町まで買い物に出向いてきた。念願のスーパー立地に「自転車で行ける。最高だ」と喜んだ。

 

 今淵店長は「たくさんの人が待っていてくれたと実感。明るい笑顔で迎え、愛される店づくりをしていきたい」と気持ちを新たにした。

 

 震災前、町内でガソリンスタンドと釣具店を営業していた二本松石油店は、スタンドのリニューアルオープンを控えていた時期に震災で被災。先が見えなかったが、町内に整備された仮設商店街でスタンド経営を除いた事業を続けてきた。

 

 名須川洋一社長(63)は「核店舗としてスーパーの出店を決断してもらったことで、新たな一歩が踏み出せた」と感謝。本設店舗で再出発した仲間と力を合わせ、「頑張っていく」と力を込めた。

 

 鵜住居川でのアユ釣りを長年楽しんできた町内の澤本幸夫さん(73)は、早速来店。「やっぱり地元の店を利用したい。便利になる」と笑顔を見せた。

 

 施設名うのポートは、同社が指定管理者として大町で共同店舗「タウンポートおおまち」を運営していることから、姉妹店との意味合いで命名。海の町釜石をイメージし、「船が寄港するように多くの市民が集う場所、人がつながる場になってほしい」といった願いも込められている。

 

(復興釜石新聞 2019年9月14日発行 第824号より)

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