山火事被災木で木皿開発〜ワールドカップ出店業者の活用期待、地域おこし協力隊の境さん

復興釜石新聞2019/06/28

山火事被災木で木皿開発〜ワールドカップ出店業者の活用期待、地域おこし協力隊の境さん

開発した木皿を手に、取り組みを報告した境さん(中)

 

 釜石市起業型地域おこし協力隊員の境悠作さん(30)が、2017年に平田の尾崎半島で発生した林野火災の焼損材(スギ)を活用した木皿を開発した。秋のラグビーワールドカップ(W杯)の大会期間中、舞台となる鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムなどで出店する業者らに利用してもらう考え。19日に市役所の野田武則市長を訪ね、木皿の紹介と今後の展開を報告した。

 

 境さんは東京都出身。商品企画・デザイナーをこなすフリーランスのプロダクトプランナーとして活動してきた。昨年10月から同隊員として釜石に移住。木製の使い捨てスプーンなどキッチン用品の開発、間伐材を活用した簡易家具の提案などをしながら事業化を目指して取り組んでいる。

 

 木皿は、円形(直径21センチ)と長方形(縦16・5センチ、横23・5センチ)の2種類。0・3ミリにスライスされた焼損材を3枚重ね圧縮加工して薄板を作り、それぞれの形に成型。中央には「釜石ラグビー」のロゴを刻印した。

 

 W杯期間中までは業者らを対象に1枚64円(税込み)の特別価格で販売。W杯終了後はイベント、キャンプ場などアウトドアシーンでの利用を想定し、一般向けに売り出す予定だ。

 

 木皿の開発は、境さんが進めるプロジェクト「釜石フォレストキッチン」の一つで、釜石地方森林組合(久保知久代表理事組合長)と連携。同組合が伐採した被害木を大槌町で製材し、薄い板にスライスする作業は久慈市の会社が担当した。最終加工は静岡県の業者に委託。地場産木材と林業に関わる企業の技術を結集した取り組みとなっている。

 

 現在は使い捨てを想定して製造している。使用後の皿は回収し、暖炉などの木質用燃料として再利用する考え。作って、使って、最後はエネルギーとして使い切るという資源の循環を発信する試みでもある。

 

 境さんは「資源があるからこそできる取り組み。地域の中で活用されるシーンをつくりたい」と報告。▽塗装などで皿の表面を加工して何度も使えるようにする▽「サンマを盛り付けられる長い皿」など規格の幅を広げる▽全ての製造工程を県内で行う方法の模索―といった今後の取り組みについても伝えた。

 

 野田市長は「プラスチックごみが国際的な問題となる中、素晴らしい発想。新たな事業展開が楽しみ」と高く評価。同席した久保代表理事組合長は「小皿としての利用だけでなく、お土産品として飾ってもらうのもいいのでは」と期待した。

 

 小皿に関する問い合わせは境さん(電話080・4145・1042/メールinfo@fromnippon.net)へ。

 

(復興釜石新聞 2019年6月22日発行 第801号より)

 

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