厚真町へ元気届ける〜三陸ひとつなぎ自然学校子どもリーダー、胆振地震被災地支援活動を報告


2019/05/07
復興釜石新聞アーカイブ #地域

厚真町など胆振東部地震被災地の支援活動報告会

厚真町など胆振東部地震被災地の支援活動報告会

 

 釜石市の一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校(伊藤聰代表理事)は21日、昨年9月に発生した北海道胆振東部地震の被災地支援活動報告会を鵜住居町の「いのちをつなぐ未来館」で開いた。約40人が参加し、支援活動を提案した児童、生徒やサポートスタッフが現地での交流の模様などを報告した。

 

 同地震では死者42人(今年1月28日現在)を数え、このうち厚真町は36人を占める。

 

 同自然学校の支援活動は、子どもリーダーの藤原菜穂華さん(鵜住居小6年)の発案で始まった。藤原さんは東日本大震災を3歳で経験し、最愛の家族を失った。避難生活の中で、全国各地のボランティアや多くの人に見守られて成長した。

 

 藤原さんは「あの時の自分のように苦しむ子どもを応援したい。お世話になった北海道の人たちにも恩返しをしたい」と募金活動を提案。自分が支えられた絵本の読み聞かせを思い出し、現地での交流を願った。

 

 市内の募金活動では協力の輪が広がり、17万159円が寄せられた。

 

 今年2月、伊藤代表らが厚真町などを訪れ、被災状況と支援内容について情報収集。3月27日から4日間、藤原さん、大槌町の太田夢さん(釜石高2年)ら5人が訪問した。厚真中央小1~3年の10人と交流し、ツリーハウス造り、伐採した木材を馬そりで搬出する「馬搬(ばはん)」も見学した。

 

 藤原さんは「あまり復旧は進んでいないと思った。仮設住宅の床下に木(くず)を敷き詰めていて、こちら(釜石)と違う寒さ対策をしていると分かった」と報告した。

 

 東日本大震災で親族を失った太田さんは「山崩れは思っているよりひどかった。子どもたちは一見、明るいけど、周囲に気遣いしている。(震災は)私が小学2年の終わりごろだったけど、(家族など被災者や避難生活を)思い出すと年々つらくなる。伝えたいのは、日常生活の大切さ。私たちの活動で、その認識をつなげたい」と語った。

 

 報告会に関連する手作りの資料は5月中旬まで同館に展示する。

 

(復興釜石新聞 2019年4月27日発行 第786号より)

 

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