念願の気象予報士に合格、合格率4%台の難関突破〜「存分に山を楽しみたい」駒林さん 69歳で夢かなう

復興釜石新聞2019/03/29

要点をまとめた自作のノートと合格通知を手にする駒林さん

要点をまとめた自作のノートと合格通知を手にする駒林さん

 

 釜石市大只越町の駒林健司さん(69)がこのほど、気象予報士試験に合格した。趣味の登山(特に縦走登山)を安心して楽しむためにと、挑むこと7年。1月27日に試験を受け、今月8日に合格の知らせを受けた。受験者数2857人で合格者は135人。挑戦15回目で合格率4%台の難関を突破した駒林さんは「肩の荷がおりた。存分に山を楽しみたい」と胸を膨らませる。

 

 駒林さんは大学卒業後、63歳で退職するまで銀行員として働いた。ホテル勤務を経て、65歳からは市の任期付職員として水産振興などに携わっている。

 

 登山は大学時代から続く趣味。現在も市内の登山愛好団体に所属して楽しんでいる。

 

 10年ほど前に朝日連峰(山形、新潟県)を縦走した際、登山客がラジオを聞きながら天気図を書く姿に格好よさを感じ、自身も天気図の書き方を学び始めた。1年ほどたって訪れた飯豊連峰(福島、山形、新潟県)で、学びの成果を確かめようと実践。すると、見ていた登山客から「明日の天気はどうですか?」と質問されたが、答えられなかったという。

 

 登山は気象の影響を大きく受ける屋外スポーツの一つ。天候に敏感な人も多く、この時の「答えられない」が、受験のきっかけになった。加えて、登山に必要な体力と経験のうち、体力は年齢とともに低下し、けがなどのリスクが高まる。その低下分を補い、安全な山登りを楽しむための必要な知識として着目したのが、気象予報だった。

 

 仕事と並行して出勤前に1時間半、夜は1時間ほど机に向かった。試験は年に2回実施。学科と実技があり、2012年から挑戦したが、合格基準にはなかなかたどり着けなかった。

 

 「実力はここまでか。やめようか」「ここで諦めたら費やした時間がむだになる」。この繰り返しだったと振り返る駒林さん。「年も年で、楽をすると得たものを取り戻すのに大幅な時間がかかる。やる気を保つため、とにかく短時間でも机に向かった。継続は力なり。これは本当。こつこつやること」と実感を込める。

 

 合格が発表されたのは、69歳となった翌日。“合格”の文字にじわじわと喜びがわき、「報われた」と解放感。少し遅れて届いた通知が誕生祝いにもなった。

 

 現在、気象予報士の資格を気象庁に申請中。駒林さんは「もっと学びを深め、得た知識、持っている技術を伝える活動に生かしたい」と意欲を見せる。

 

 この挑戦と併せ、日本山岳ガイド協会の登山ガイド資格なども取得。そんな活力が満ちている駒林さんは、今月末で市職員としての任期を終える。今後は北海道への登山を計画中。近年の登山ブームを受け、紙地図の携帯など登山の基本を伝える活動にも取り組みたい考えだ。

 

(復興釜石新聞 2019年3月23日発行 第776号より)

 

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