21年ぶり、全日本アンサンブルコンテスト東北大会へ〜釜石高フルート三重奏 県大会で優勝、市民吹奏楽団の応援が力に


2019/01/31
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

「息の合った演奏を」と意欲を高める(左から)山田さん、佐々木さん、菊池さん

「息の合った演奏を」と意欲を高める(左から)山田さん、佐々木さん、菊池さん

 

 釜石高(佐藤一也校長)の吹奏楽部員3人で編成するフルート三重奏が、全日本アンサンブルコンテスト第39回県大会(県吹奏楽連盟など主催)の高校の部で金賞に選ばれ、東北大会(2月9日、仙台市)に出場する。同部が東北切符を手にするのは、釜石南高時代の1997年以来、21年ぶり。「息の合った演奏を見せつけたい」と意気込んでいる。

 

 メンバーは、山田奏美さん(2年)、佐々木舞さん(同)、菊池優月さん(1年)の3人。県大会高校の部は20日に奥州市の市文化会館で行われた。32グループが出場。3人は「3本のフルートのための二章」(堀悦子作曲)の2楽章を奏でた。金賞には9グループが選ばれ、東北大会へは上位4グループが出場。顧問の細川正一教諭によると「(非公表の審査結果では)2位の評価だった」という。

 

 3人ともフルートを始めたのは中学からだが、それぞれが全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテスト東北大会出場経験を持つ。小佐野町で音楽教室を主宰する演奏家らの指導も受けているが、佐々木さんが山田町から通学していることもあり、昼休みなど授業の合間を利用して熱心に練習するなど努力も惜しまない。細川教諭は「陰の努力が花咲いたチーム。本番に強い」と評価する。

 

 「全国大会“金”」を目標に掲げていて、山田さんは「演奏曲が華やかではないので、息を合わせ見せる演奏を意識している。とにかく見せつけ、金をとる」と力を込める。佐々木さんは「自分たちのペースを大事にしたい。変に頑張り過ぎないで自然体でいきたい」と控えめながら、攻めの姿勢。菊池さんは「一人の力ではできないことで、支え合いながら目標を目指して頑張りたい」と抱負を語った。

 

 細川教諭によると、昨年12月に行われた県予選の釜石・気仙支部大会に同部から4グループが出場。高校の部は18グループで競われ、上位4位までを同部が独占した。県大会に進めるのは3グループだったが、「初の快挙」と歓喜。部員同士で励まし競い合って向上した結果でもあるが、同校OBらも多く所属する市民吹奏楽団メンバーが指導で応援したことが力になったと感謝する。

 

 同楽団の客員指揮も務める細川教諭は「釜石は音楽のまちでもある。東日本大震災があり、復興が進められているまちが元気になってほしい─そんな気持ちが生徒たちの演奏の力にもなっている」と強調。子どもたちのさらなる羽ばたきが、まちの未来につながると信じている。

 

(復興釜石新聞 2019年1月26日発行 第760号より)

 

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