浜町災害公営住宅完成、当初計画から2年遅れで〜市内整備(1316戸47団地)全て完了、住まいの再建 一区切り
釜石市で最後に完成した浜町復興住宅
釜石市で建設されていた災害公営住宅(復興住宅)のうち、最後まで残っていた市整備の東部地区浜町復興住宅(31戸)が完成し、19日に現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。これにより、県整備分、集合・戸建ても含め市内に整備する復興住宅47団地1316戸が全て完了したことになる。22日には鍵が引き渡され、入居者たちは東日本大震災から7年9カ月を経て新たな住まいで年越しを迎える。
同住宅は釜石港に近い津波浸水地域を約7メートルかさ上げした土地に建設された。鉄筋コンクリート造り5階建てで、敷地面積約3640平方メートル、延べ床面積約2370平方メートル。1LDK20戸、2LDK11戸で構成した。
全戸から海が見え、単身世帯を住民同士で見守り合えるよう1LDKを2LDKで挟むように部屋を配置。最上階に集会室(約60平方メートル)、2階以上には各階に展望デッキ(約50平方メートル)を設け、災害時には近隣住民らの緊急避難場所としての活用も想定する。地域の交流の場となるよう、敷地内に公園や広場を整備した。
住民交流がしやすいよう配慮され、敷地内には公園や広場も整備された
民間事業者が設計と施工を行う建物提案型買い取り方式で整備。タカヤ(盛岡市)と山長建設(釜石市)が施工し、市が約9億5千万円で買い取った。
竣工式には工事関係者ら約30人が出席。神事を行った後、野田武則市長は「2013年3月に上中島地区に最初の復興住宅が完成してから5年と9カ月、時間がかかったが皆さんの支援でやっと完了できた。住まいの再建とともに安心した生活、希望の持てる環境をつくっていかなければとあらためて決意。復興の完遂に全力を尽くしたい」とあいさつした。
完成を喜ぶ市、工事関係者ら
同住宅は土地の造成が遅れ、当初の計画から2年遅れの完成となった。全ての入居者が内定していたが、自力再建や市外への転居など意向が変わったり、入居希望者の死亡などで5戸の空き室がある。市では来年1月15日から、同住宅を含む市内全16戸の空き室について再募集する予定だ。
(復興釜石新聞 2018年12月22日発行 第751号より)
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