ストリートラグビー 国内初の専用フィールド、誰もが気軽に楽しく〜W杯機運醸成を後押し、イオンタウン釜石に開設
イオンタウン釜石に開設されたストリートラグビーの専用フィールド
誰もが気軽にラグビーの基本プレーに親しむことができる「ストリートラグビー」専用の国内初の人工芝フィールドが、釜石市のイオンタウン釜石に開設された。ラグビーの普及に取り組む一般社団法人ストリートラグビーアライアンス(東京都、鈴木寛代表理事)が同店の協力を得て常設。1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、ラグビーの面白さ、楽しさに市民が触れる機会を増やし、機運醸成を図る。
ストリートラグビーは2015年に誕生したニュースポーツ。ラグビーのルールを簡素化し、初心者でも安全にプレーを楽しむことができる。フィールドは街なかにも設置が可能で、1チーム3人で対戦する。
タックルの代わりに相手の攻撃を止めるのは、片手タッチ。子どもでも扱いやすい4号球を使用し、低めに設定した空気圧で指のけが防止にも配慮する。競技時間は前後半、各1分以内とし、体力に自信のない高齢者も気軽に楽しめる。
ストリートラグビーを楽しむ参加者
フィールドは大町広場入り口付近のスペースを利用して開設された。横8メートル、縦20メートルで、人工芝はヤフオクドーム(福岡市)などと同じ仕様の本格的なものを使用。震災復興支援を目的に、同法人が市街地専用フィールドとして整備した。来年11月のW杯終了まで開設する予定で、関連イベントや一般開放の日に利用できる。
この日は、新設のフィールドで体験会が開かれた。県内外のボランティアやメディア関係者、市民ら約30人が参加。パスなどでディフェンスをかわし、トライの醍醐味(だいご)を味わった。北上市から参加したボランティアの男性は「トライを決めたときの、子どもの笑顔がストリートラグビーの一番の魅力。勇気も育むことができる」と期待する。
インストラクターは現在、県内に約50人、釜石には約20人。釜石シーウェイブス(SW)RFCのOBでインストラクターとして活動する森闘志也さん(42)は「110キロを超えていた体重を、この1年間で5キロも落とすことができた。体を動かすことは健康にもつながる」と、さらなる普及拡大に意気込む。
ルール作りを担当し、普及の陣頭指揮を執る同法人副代表理事の大西一平さん(54)は「国内初の専用フィールドができて感無量。35歳以上のラグビー経験者はおよそ100万人いるといわれているが、競技を終えるとボールにまったく触らなくなってしまう人がとても多い。彼らが“伝道師”になってくれれば」と期待する。
(復興釜石新聞 2018年11月28日発行 第744号より)
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