平田地区に新集会所完成、神楽や虎舞でオープン祝う〜生活応援センター併設、利便性向上 地域住民の融合支援
安全安心な地域づくりの拠点となる新しい「平田集会所」
震災復興で土地区画整理事業が導入された釜石市平田地区に、生活応援センターを併設した新しい集会所が完成。1日、地域住民や市の関係者約50人が出席し、現地で開所式が行われた。待望のコミュニティー拠点施設の完成に住民らは笑顔を広げ、今後のまちづくりへ意欲を高めた。
野田武則市長、平田地域会議の前川輝夫議長(平田町内会長)があいさつ。前川議長は「行政手続きが地元でできるようになったのが何より。課題を克服しながら、みんなでより良い平田地域をつくっていきたい」と協力を呼び掛けた。各町内会長など出席者の代表9人がテープカットを行い、開所を祝った。平田神楽と平田虎舞は真新しい施設内で舞を披露。新集会所のスタートを華やかに彩った。
伝統の舞で平田集会所の完成を祝う「平田神楽」
同集会所は、平田第6地割内の新たに整備された市道沿いの敷地(588平方メートル)に建設された。昨年8月に着工。鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は329平方メートル。総事業費は1億5600万円。
1階は生活応援センターの事務室、調理室、小会議室、2階に大会議室、和室、給湯室を配した。和室には郷土芸能の道具類を収納できるスペースも。1階には町内会用の倉庫も完備した。両階にトイレを設置。太陽光発電の設備も導入した。駐車場は建物入り口側に5台分を確保。隣り合う市消防団第3分団第3部屯所の駐車スペース(10台)も併用する。
平田集会所は旧市立平田幼稚園の2階に併設されていたが、2015年の同園の移転新築に伴い解体された。08年に設置された平田地区生活応援センターは震災の津波で流失。センター業務は、旧釜石商業高グラウンドに整備された仮設団地内にプレハブの建物を設け、継続してきた。震災後、町内会や地域会議の活動は、同校体育館や仮設団地の談話室、災害公営住宅の集会所などを借りて実施。新施設の早期完成が待たれていた。
独居老人の食事会を毎月開催する支え合いサロン「平田はまなす」の庄司嘉市代表(79)は「設備の整った集会所ができたことで、活動の充実も図られる。みんなで力を合わせ、楽しく暮らせるまちをつくっていければ」と期待を込めた。
同センターは市職員と釜援隊員5人で運営。仮設では行っていなかった証明書発行や税金収納など市の出張所業務が可能となり、住民の利便性が向上した。
千葉裕美子所長は「被災した地元住民が自宅再建で戻ってきているほか、災害公営住宅入居や上平田ニュータウンへの転入など他地域から移住する人も増えている。地域住民が融合できるよう支援していきたい」と話した。
(復興釜石新聞 2018年4月4日発行 第678号より)
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