鵜住居町仲町内会、住民離散もつながりは絶えず〜結んだ絆 継続誓う、震災7年 犠牲者悼む

復興釜石新聞2018/03/27

仲町内会の津波犠牲者を思い、鎮魂の祈りをささげる町内会員ら

仲町内会の津波犠牲者を思い、鎮魂の祈りをささげる町内会員ら

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた釜石市鵜住居町の仲町内会(岩鼻新一郎会長)は18日、震災から7年となるのを機に、町内の犠牲者を悼む法要を常楽寺(藤原育夫住職)で開いた。町中心部に位置し、防災センターへの避難などで多くの住民が犠牲になった同町内会。家族や親族、住居を失い、離れ離れに暮らす会員らは、地元の同朋を共に供養。法要後の親睦会で、長年育んだ絆を今後も結び続けることを誓い合った。

 

 法要には市内外から約50人が参列した。海に向かって黙とうをささげた後、藤原住職らが読経。途中、犠牲者一人ひとりの名前が読み上げられると、故人への思いを募らせ、すすり泣く声が漏れた。参列者は焼香して手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。

 

 滝沢市に住む女性(59)は24年間一緒に暮らした夫の両親が犠牲に。「転勤で震災の4年前に鵜住居を離れた。心残りだったが『まだ若いから大丈夫』と言われて…。今となっては複雑な気持ち」と癒えぬ悲しみを吐露。自身も幼いころから同町に暮らした。「祭りに出たり、協力し合っていた町内会が懐かしい」と高台からまちを見渡した。栗林町の仮設住宅に住み、長女と妹夫婦が犠牲になった女性(78)は「娘と妹がいまだ行方不明。ゆうべは妹夫婦が夢に出てきてね…。法要では名前も呼んでもらい、ありがたかった」と感謝した。

 

仲町内会の今後についても話し合った親睦会

仲町内会の今後についても話し合った親睦会

 

 同町内会はJR鵜住居駅周辺の古くからの商業エリアにあり、震災前は約120世帯が暮らした。確認できているだけで津波の犠牲者は102人。2、3世代家族や親族が同じ地域に住む人も多かったことから、複数の近親者を亡くした遺族が目立つ。

 

 ほとんどの家屋が流失し、町内会員は各地に散らばった。当時の会長や役員は津波で亡くなり、町内会は休止状態にあったが、会計監査だった福士義一さん(85)の提案で、賛同会員の協力を得て法要の準備を進めてきた。所在が分からない会員の連絡先を突き止める作業は大変な苦労を伴った。

 

 自らも妻と孫娘を亡くした岩鼻会長(82)は遺族の7年の重みを共有し、「町内会としてようやく供養ができた。胸につかえていたものが少し和らいだ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 

 土地区画整理で宅地造成された同町は今後、新たな区割りが導入される。駅周辺には追悼施設や体育館が整備されるため、震災前の仲町エリアは大きく姿を変える。岩鼻会長らは「町内会機能を失っても、住民のつながりは絶えない。親睦会など何らかの形で交流を続け、互いの生活を支え合っていきたい。孤独死など決してないように」と願った。

 

(復興釜石新聞 2018年3月21日発行 第674号より)

 

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