釜石東中、全校で鵜住居駅愛称応募〜復興の願い、ラグビーW杯への期待込め 野田市長に活動成果報告


2018/02/21
復興釜石新聞アーカイブ #地域

鵜住居駅愛称応募を報告する川崎さん、古川君、佐々木さん(右から)

鵜住居駅愛称応募を報告する川崎さん、古川君、佐々木さん(右から)

 

 釜石東中(佐々木賢治校長、生徒115人)は、JR東日本から三陸鉄道への山田線宮古―釜石間(55・4キロ)移管に合わせて公募している鵜住居駅の愛称に応募。15日、各学年の生徒代表が釜石市役所を訪れ、学校ぐるみで取り組んだ活動を野田武則市長に報告した。全校生徒が考案した愛称は合わせて約220点。いずれの愛称にも鵜住居の早期復興を願う思いや、来年に開催が迫ったラグビーワールドカップ(W杯)への期待があふれている。

 

 昨年11月から12月にかけて、総合学習の一環で外部講師を招き、愛称について考える授業を3回実施。全校生徒が震災後の三陸鉄道や地域づくりの現状、W杯に向けた取り組みなどを学んだ上で、愛称を出し合った。

 

 市役所を訪れたのは古川真愛(まなと)君(3年)、佐々木里桜(りお)さん(2年)、川崎真菜さん(1年)。古川君が代表し「鵜住居を愛する思いをしっかりと考えた」と、全校生徒が付けた愛称のコピーを野田市長に手渡した。

 

 古川君が考えた愛称は「キズナの翼でアナタと夢を」。みんなで復興や夢をつかんでいきたい、という思いを込めたという。震災の津波で母、弟、妹を一度に亡くすという過酷な心の痛みを乗り越え、高校野球の強豪校へ進学を内定。夢の甲子園出場を目指す。

 

 生徒会長を務める佐々木さんは「復幸」という愛称に「幸せがあふれるまちに」という願いを重ねた。「光が戻り、よそにも幸せを与えられるまちに。ラグビーと駅で鵜住居を世界に発信したい」と思いを膨らませる。

 

 川崎さんが考えた愛称は「希跡」。希望の「希」と奇跡の「跡」を組み合わせ、「復興が進み、希望があふれるまちに」と願いを込めた。

 

 野田市長は「震災から『自分の命は自分で守る』という教訓を学んだ。みなさんが考えた鵜住居駅の愛称には、そんな思いも込められている。これからのまちづくりはみなさんが主役。理想のまちをつくってほしい」と生徒らに期待を託した。

 
 
 三陸鉄道が愛称を募集しているのは、磯鶏―両石間の13駅と2020年度に開業する新田老の計14駅。今月20日が締め切りの愛称募集にはこれまで約1千点の応募があり、釜石市内からは釜石東中の生徒を含め約300点に上る。愛称決定は駅のある各自治体に託されており、釜石市では近く、鵜住居、両石駅の愛称選考委員会を設置。3月20日に愛称を発表する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2018年2月17日発行 第665号より)

 

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