宮古〜釜石間18年度開通へ、鵜住居など5駅 今秋までに工事完了〜JR山田線、復旧状況公開
東日本大震災で被災したJR山田線宮古~釜石間(55・4キロ)鉄道復旧工事は、軌道の敷設、駅ホームや橋りょうの構築など作業が続けられている。山田町の陸中山田駅ではこ線橋の構築が完了し、工事を行うJR東日本盛岡支社東北工事事務所は16日、報道関係者に現地を公開。2018年度内の運行再開を目指して順調に作業が進んでいることをアピールした。
同事務所によると、津波による浸水被害を受けた7つの駅と6つの主要な橋りょうで復旧工事が進められており、駅では津軽石駅(宮古市)や織笠駅(山田町)でホームの復旧が進行。鵜住居駅(釜石市)では軌道工事が完了し、今後はホームの復旧工事を行う。
また、吉里吉里~大槌間の大槌川橋りょうでは河川護岸の復旧工事が進行中。これが終わり次第、橋りょう付近へのアプローチ部の工事に着手する。
被災駅舎の復旧は7駅中5駅をJR東日本が担当する。磯鶏駅(宮古市)と津軽石駅は駅舎の修繕で対応し、織笠駅、浪板海岸駅(大槌町)、鵜住居駅は新設。陸中山田駅と大槌駅は自治体側が受け持つことになっている。
JRが担当する5駅の工事については、津軽石駅と織笠駅を皮切りに4月から開始する予定。5月からは磯鶏駅、浪板海岸駅、鵜住居駅でも開始。これらの5駅は8月までには工事が完了する予定となっている。
ホームを結ぶ跨(こ)線橋も再建された
工事は原形復旧が基本で、200億円をかけた事業が各地で進行。陸中山田駅も同様で、以前とほぼ同じ場所、同規模での工事が進む。16年4月に山田町の区画整理事業による駅周辺のかさ上げ(約3メートル)が終わり、引き渡しを受けて工事を開始。こ線橋の構築、レールやコンクリート製枕木の敷設、相対式2面2線ホーム(長さ70メートル)の施工を終え、現在はホーム上屋、モーターカー庫の整備を行っている。
同事務所三陸復興工事区の瀧内義男区長は、関係自治体のまちづくり事業との連携により工事が円滑、順調に進んでいると強調。今秋に主要な工事を完成させ、検査、試運転を経て運行を再開させたい考えだ。「山田線の復旧は多くの人が待ち望んでいる。安全第一に工事を進め、再開を迎えられるよう、全力で取り組む」と意気込んだ。
同区間の復旧については、JR東日本・三陸鉄道・関係自治体の3者間の合意に基づき、JR東日本が鉄道復旧を担当し、復旧後は三陸鉄道が引き継ぎ、北リアス線・南リアス線と一体運営することが決まっている。
(復興釜石新聞 2018年1月20日発行 第657号より)
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3