釜石駅前で楽しく!春まつり 自然の恵み、ものづくり、遊び 市民、のびのび満喫

かまいし春まつりで毛ガニ釣りを楽しむ家族連れ
釜石市鈴子町の釜石駅前エリアを中心とした複合イベント「かまいし春まつり」(釜石観光物産協会主催、市共催)は5月の大型連休期間に合わせ、2日と3日に開かれた。駅前のにぎわい創出や交流人口の拡大を目的に、鈴子地区周辺の施設や企業・団体らと連携して地域一体で盛り上げる取り組み。訪れた人たちは、シープラザ釜石とサン・フィッシュ釜石を中心に周遊しながら“ならでは”の体験に触れた。
食や遊び、ものづくり体験など地域の魅力を楽しんでもらおうとさまざまな企画を用意。2日にサン・フィッシュで人だかりができていた毛ガニ釣りでは、子どもも大人も釣り上げるたびに大きな歓声を上げた。妹夫妻(山梨県在住)と訪れ、初めて挑戦した地元釜石の吉田保さん(61)は「釣れたよ」としたり顔。“海なし県”から来訪するたび義弟をもてなそうと海釣り、夜釣りに連れ出しているそうで、「釜石のいいところを感じてもらえたら」と笑った。

なかなか釣り上げられず苦戦するも最後はカニをゲット

春まつり初登場のニジマスのつかみ取りを楽しむ子ども
初企画の釜石産ニジマスのつかみ取りは2日に行われ、子どもたちに人気。素早く泳ぐ魚を追いかけた地元の小学生、白土敦士さん(10)は「めちゃくちゃ面白い」と喜んだ。3回挑み計6匹ゲット。その場で内臓をとるなど下処理をしてもらい、「焼いたりして、すぐ食べる」とうれしそうに持ち帰った。
地酒や海鮮焼きなどを販売する出店も並び、地元ならではの味をPR。大渡町の工藤精肉店は自慢の焼き鳥のほか、来場者が手軽に味わえるよう厚切りベーコン焼き、お好み焼き串なども売り出した。「地元のイベントを盛り上げたい」と毎回協力しており、出店担当の工藤みゆきさん(62)は地域に親しまれている味を求める顔なじみとの再会も楽しみにする。「商売を続けられるのはお客さんあってのこと。うちの味をめがけてきてくれる人がいるから頑張れる。できることをやっていきたい」と忙しそうにしていた。

飲食店の出店コーナー。工藤精肉店は自慢の焼き鳥などを提供した

焼き物やドリンクなどを味わう親子連れ
サン・フィッシュ内の店舗から買った海の幸をその場で浜焼きにして味わうグループも。家族4人で来場した仙台市の横山克己さん(59)はハマグリやツブ貝などの香ばしい匂いを周囲に広げた。「安い。新鮮。うまい」とビールを手に堪能。三陸道など交通の利便性が高まり、小旅行を楽しんでいるようで、「非日常を味わえる。子どもたちが一緒に出かけられるうちはいろいろ行きたい」と笑顔も広げた。

魚屋さんから調達した海の幸をその場で焼いて味わう家族連れ
地域ならではの体験で盛り上がったのは、シープラザで行われた名物・釜石ラーメンの早食い競争「腹ペコまつり」。“食士”たちはアツアツの麺、スープを汗だくになりながら胃に流し込んだ。特徴の一つ、極細縮れ麺は忙しい労働者のために素早く提供できるよう工夫されたもので、そうした歴史をかみしめる人もいれば、初めて食べる機会にも関わらず味わいより早さを優先させた挑戦者も。会場で見守る応援者たちからは熱い声援が飛んだ。

アツアツの釜石ラーメンの食べる早さを競う「腹ペコまつり」

ラーメンの早食いで繰り広げられた熱戦。上位3人には景品が贈られた
「食べて満腹ー」と叫んだ加賀洋希さん(40)は「いつも食べている。おいしかったけど、熱かった」と汗をぬぐった。4月に大槌町で発生した山林火災の影響で不安な日々が続いた吉里吉里地区に住み、「負けない力強さを見せたい」と参加。釜石地方森林組合の職員で、出店団体の一員として木工教室コーナーも担当し、くぎを打ち込む子どもらに「まっすぐ強く」とアドバイスした。2日午後に延焼拡大の恐れがなくなったとして町が「鎮圧」を宣言。「少しでも早く、もとの豊かな森が戻るように」と再生への思いを強めていた。

汗だくになりながらも笑顔で完食をアピールする加賀洋希さん(左)

地元産材の良さをPRする木工教室では子どもたちの活動を見守った
家族向けの遊びとして初めて催されたのは、プラスチック製のレールなどをつないで列車を走らせる「おもちゃの電車広場」。4歳の長男と3歳の長女が夢中になる様子を見つめた30代の母親は「家にもあるけど、数は多くないから。広いスペースで伸び伸びできて楽しそう。遠出は時期をずらしてと思っていて、近場で遊ばせることができてよかった」と歓迎した。

子どもたちが夢中になった「おもちゃの電車広場」も初開催
電車広場で使われたおもちゃは市民らからの寄付。3月まで同協会に所属していた市商工観光課の横木寛裕さん(25)=市地域プロジェクトマネジャー=が中心となって準備を進めた。きっかけはJR、三陸鉄道の釜石駅長らの「鉄道のおもちゃで遊べるコーナーが駅周辺にあったらいいよね」といった声。横木さんは「家庭で眠っているものを有効活用できるのでは。次の人、みんなで使っていくのがいいと思う。今後もイベントで活用したい」と考えをめぐらせた。
同協会の菊池公男事務局長は「お祭り的なイベントで、観光で訪れた人には釜石を知ってほしいし、市民の皆さんにも地元の魅力を再認識してもらえたらいい」と話す。春まつりは一時、隣町の大槌町であった山林火災を考慮して開催を迷ったというが、「明るい話題を届けられたら」と実行。また今年、シープラザ釜石は開業30周年を迎えることから、「周辺施設と連動し、人が行き来できるイベントを続けていきたい」と先を見据えた。

釜石新聞NewS
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