釜石から発信!新たな才能 タレント養成所C-Zeroアカデミー 1期生、修了発表会で輝き放つ


2026/03/26
釜石新聞NewS #文化・教育

C-Zeroアカデミーの修了発表会で朗読劇を披露する生徒たち

C-Zeroアカデミーの修了発表会で朗読劇を披露する生徒たち

 
 釜石市のタレント養成所「C-Zero(シーゼロ)アカデミー」(菊池由美子校長)の基礎科第1期生の修了発表会は22日、同市大町の釜石PITで開かれた。2025年4月に開校して初めて迎えた、レッスンの成果を見せる集大成の舞台。演技や歌、ダンスなど表現する力を1年間磨いてきた生徒19人は、それぞれが持つ輝きをステージ上から放った。発表会の後には修了式も実施。夢への扉をこじ開けた生徒たちは実現に向け、そして新たに見いだした目標に向かって進み続ける。
 
 基礎科1期生は8~77歳と幅広い年齢層が所属する。「俳優や歌手など芸能界を目指している生徒もいるが、趣味の幅を広げるためだったり、自分の殻を破りたいという目的で入ってきた人もいる」と菊池校長(58)。生徒たちは専門家の指導を受けながらレッスンを重ね、多彩な力を蓄えてきた。
 
岩手県ゆかりの民謡で声を合わせる1期生

岩手県ゆかりの民謡で声を合わせる1期生

 
 発表会は、民謡で幕開け。「人前で歌うことで自信につながり、強みにもなる」と取り組んできたもので、「チャグチャグ馬コ」と「外山節」を全員で歌った。ほとんどの生徒が、なじみのなかった民謡。始めた頃は声が小さかったというが、本番ではふるさと岩手の情景を思い浮かべてもらえるよう、透明感を加え伸びやかに歌い上げた。
 
 朗読劇「セロ弾きのゴーシュ」は2チームに分かれて上演。主人公のゴーシュが、カッコウや子ダヌキ、ネズミの親子ら動物たちとの交流を通じて音楽家、そして人間として成長していく物語を、それぞれの役になり切り、仲間と呼吸を合わせながら堂々と演じた。
 
声で伝え、体で表現。「セロ弾きのゴーシュ」を演じる生徒たち

声で伝え、体で表現。「セロ弾きのゴーシュ」を演じる生徒たち

 
 アカデミーがコミュニティーFM「きたかみE&Be(いいあんべ)エフエム」(北上市)と組んで制作したラジオドラマ「しいの町ふしぎ通りゼロ丁目」のテーマ曲を、作詞作曲を担当した生徒2人がノリノリのパフォーマンスで披露。体と心をめいっぱい使ったダンスもあり、7人の生徒が踊る楽しさを表現した。
 
作詞作曲した歌で会場を盛り上げた生徒たち

作詞作曲した歌で会場を盛り上げた生徒たち

 
笑顔を弾かせながらダンスパフォーマンス

笑顔を弾かせながらダンスパフォーマンス

 
 生徒4人が出演した短編映画「シグナルとシグナレス」(15分)を上映。作品は信号機同士の恋愛を描いた宮沢賢治の同名童話をモチーフに、進路が分かれる卒業間近の高校生4人の不安と希望を描く。ロケ地となったのは、遠野市の田園地帯。黄金色の稲穂、美しい夕景の中に溶け込んだ女子高生たちのみずみずしさ、そうした環境が身近にあるという豊かさを感じられる一作だ。
 
上映された短編映画「シグナルとシグナレス」

上映された短編映画「シグナルとシグナレス」

 
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今関あきよし監督(左)と出演した4人による舞台あいさつ。右上の写真は映画の一場面

 
 メガホンを取った今関あきよし監督を交えた舞台あいさつもあった。製作のきっかけは、アカデミーが昨年夏に実施した今関監督らによる演技ワークショップ。人、景色などいくつもの“出合い”が重なって生み出された作品のようで、今関監督は「キラキラした、今しか取れない瞬間を切り取り、残してあげたい。これから未来を生きる人たちへの後押しのような気持ちもあった」と振り返った。
 
 出演したのは高校生の森美惠さんと前見琉綺亜さん(ともに今春、大学へ進学)、市内在住の会社員佐藤愛莉さんとパート佐々木瑠奈さん。撮影時のエピソードを紹介しながら、演じる楽しさや新たな一面を発見したこと、一つの夢をかなえた感謝の気持ちなどを明かした。最後に、今関監督は「短編でもいろんなストーリーが入っていることを感じてもらえたのでは。独特な方言、釜石弁もいい味を出している。時間がたてばたつほど、この作品の面白さに気づくと思うので、4人の応援という意味でぜひ映画館で観てほしい」とPRした。
 
修了式で感謝の気持ちや決意を伝えた矢浦望羽さん(手前)

修了式で感謝の気持ちや決意を伝えた矢浦望羽さん(手前)

 
 発表会に続いて行われた修了式で、ケーブルテレビリポーターの矢浦望羽さん(20)が修了生を代表しあいさつ。演技をすることに情熱を持ち、飛び込んだアカデミーではチャンスをつかみ取れず、悔しさや悲しさに思い悩んだり、苦しい時期もあったというが、「そこで感じた気持ちを正直にぶつけたことが成長につながった」と顔を上げた。そして、「私の夢は今も変わらず俳優です」ときっぱり。研究科に進級し、「もっとキラキラした表現を目指し、私らしく、ひたむきに努力していきたい」と力を込めた。
 
1年間の成果を出し切り笑顔を見せる生徒たち

1年間の成果を出し切り笑顔を見せる生徒たち

 
 1期生の半数以上は矢浦さんと同じく、より実践的なレッスンに取り組む研究科に進む。朗読劇で三毛猫を演じた北上市の中村美海さん(15)は「アカデミーは好きなことをできる居場所になった。ずっと続けてきたダンスだけでなく、歌や演技にも挑戦できた。夢を持つ仲間がいたから楽しくできた」と充実感をにじませた。この春、県内の高校通信制課程へ進学。釜石へ通う日々はこれからも続き、「興味がないではなく、何でもできることを頑張りたい」と意欲を示した。
 
 最年少で小学生の鈴木綾誠さん(8)は「発表会は緊張したけど、練習の時より大きな声でみんなに聞こえるようにできた」と満足そうに話した。演技が好きでレッスンは楽しく続けられたというが、「歌は苦手だ」と小さな声でつぶやく。それでも研究科での学び、経験を待ち望み、「はっきりした夢はまだ分からないけど、自分がやることでみんなを笑わせて元気にしたい」と、目標となるものを芽吹かせた。
 
笑顔がキラリ。菊池由美子校長(中央)を囲む1期生

笑顔がキラリ。菊池由美子校長(中央)を囲む1期生

 
 菊池校長は、生き生きとした生徒たちの姿を見つめ、「みんな成長した」と実感を込めた。1期生を送り出し「ほっとした」気持ちに入りまじり、さみしさも感じている様子だが、アカデミーが目指す「エンターテインメントでまちを盛り上げる」という道のりはまだ始まったばかり。開校1年目にして、ドラマ(テレビやラジオ)、映画、CMなどへの出演オファーを受け、少しずつ実績を積み上げている。子どもや若手だけでなく、シニア世代も「チャンスがある」と強調し、「これからも生徒の夢に合わせた指導を行い、共に夢をかなえていきたい」と熱い思いで先をゆく。
 
 アカデミーでは31日まで第2期生を募集している。この日が県内初公開となった「シグナルとシグナレス」は、4月3~9日に盛岡ルミエール(盛岡市)でも上映される。

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