震災犠牲者しのび法要 釜石・鵜住居観音堂 心、まちに「光が届くよう」祈り込め

東日本大震災犠牲者の冥福を祈り鵜住居観音堂で営まれた「復光」祈願法要
東日本大震災の犠牲者を悼み、まちの復興を願う「復光祈願法要」は8日、釜石市鵜住居町の鵜住居観音堂(小山士別当)で営まれた。同法要は15回目で、地域住民や関係者ら約30人が参列。本尊「十一面観音立像」(県指定文化財)の模刻「身代わり観音像」に静かに手を合わせ、亡き人や地域の未来へ思いをはせた。

被災地の平穏を願い読経する千葉秀覚執事長(手前から2人目)ら
法要は毛越寺(平泉町)の千葉秀覚執事長(63)らが執り行い、読経に合わせ、それぞれが焼香した。地元の齋藤清子さん(81)は津波で失った親族2人の安寧を祈りながら合掌。「残されたものは祈るしかない。だいぶ立派に街はできたが、住む人は減り、寂しくなる」とつぶやく。ふと耳を澄ますと、観音堂近くのグラウンドから野球少年たちの声が届いた。「若い人たちが暮らし、普段から元気な声が聞こえたらいいのに」と願った。

参列者は読経に合わせて焼香。静かに手を合わせる
観音堂は震災の津波で全壊し、2022年に高台に再建。まつられている本尊は破損しながらも流失を免れ、当時、盛岡大教授だった故大矢邦宣さんらが救出、修復された。背面に「永正七年」(1510年)の年号があり、33年に一度開帳される。模刻は大矢さんの発案で2014年に制作。観音堂の再建を待つ間も「地域のよりどころになるように」との思いが込められ、今も地域を見守る存在として安置されている。

鵜住居の街並みを望む高台に建つ観音堂

地域を見守る「身代わり観音像」に祈りをささげる
法要に合わせ、幾度か観音堂へ通う千葉執事長は「震災から15年目となるが、それぞれが歴史を刻んできた15年なのだろう。街は復興しても、当時のつらい記憶、亡き人を思う気持ちは消えないもの。そうした中で、室町時代から信仰が続く観音様、身代わり観音像が人の心、地域に光が届くよう見守ってくださっている」と法話した。
小山別当(82)は「大矢先生や尽力してくれた関係者のおかげで生きる希望を教えていただいた。そして、法要を続けられている毛越寺の方々、集まってくれる地域の皆さんには感謝しかない。その思いを受け止め、地域の宝を貴重な文化財として後世に引き継いでいきたい」と思いを深めた。

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