沿岸部、乾燥状態続く 山火事防止へ郵便局と消防がタッグ 注意喚起のチラシ配布


2026/02/24
釜石新聞NewS #防災・安全

釜石郵便局と釜石消防署による林野火災防止を呼びかける広報活動=19日

釜石郵便局と釜石消防署による林野火災防止を呼びかける広報活動=19日

 
 昨年2月26日に発生した大船渡市の大規模山林火災からまもなく1年―。同火災を受け本年1月から、地域の気象状況など火災の危険性に応じて自治体が発令できる「林野火災注意報・同警報」の運用が始まった。本県沿岸部は今年に入り、降水量が平年を大きく下回り、乾燥状態が続く。釜石市では連日のように、注意報・警報が出ていて、火の取り扱いにはより一層の注意が必要だ。防災行政無線などで伝えられる発令だが、市民により理解してもらおうと、19日、只越町の釜石郵便局(小野寺幸徳局長)前で広報活動が行われた。
 
 同局社員と釜石消防署署員約10人が活動。林野火災注意報・警報の発令基準、発令時の火の使用制限、違反した場合の罰則、屋外で火を使う時の注意点などが書かれたチラシを来局者や道行く歩行者らに配った。
 
1月から運用が始まった「林野火災注意報・同警報」、山火事防止を呼びかけるチラシを配布

1月から運用が始まった「林野火災注意報・同警報」、山火事防止を呼びかけるチラシを配布

 
 同注意報・警報は1~5月の期間に運用される。注意報は①前3日間の合計降水量が1ミリ以下、かつ前30日間の合計降水量が30ミリ以下②前3日間の合計降水量が1ミリ以下、かつ乾燥注意報が発表された―のいずれかに該当する場合に発令(当日、降水が見込まれる、積雪がある場合はこの限りではない)。警報は注意報の発令基準に加え、強風注意報などが発表された場合に発令される。
 
 発令時には、山林または山林の周囲1キロの範囲(釜石市、大槌町は全域)が「火の使用制限区域」となり、山林・原野などの火入れ(野焼き)、花火、たき火、燃えやすい物の近くでの喫煙―などが制限される(詳細は釜石大槌地区行政事務組合消防本部のホームページで確認)。火の使用制限に違反すると、注意報は罰則を伴わない注意喚起、警報は30万円以下の罰金または拘留が科せられる。
 
郵便局と消防が協力し合い、地域の安全を守る

郵便局と消防が協力し合い、地域の安全を守る

 
活動を行ったこの日も「林野火災警報」が発令中。より一層の注意を促した

活動を行ったこの日も「林野火災警報」が発令中。より一層の注意を促した

 
 同市の大規模山林火災は2008年の唐丹・荒川(4月4日出火~15日鎮火)、17年の尾崎半島(5月8日同~22日同)での火災が記憶に新しい。沿岸特有の急峻な地形で消火活動は困難を極め、いずれも鎮火までに10日以上を有した。釜石消防署の佐藤直樹予防係長は「山林火災は原因が特定できない場合もあるが、まずは人的要因の火災を防ぐことが大事。人の不注意で発生する火災は何としても防ぎたい」と住民の意識向上を強く願う。
 
 合わせて今、心配なのは極端に少ない降水量。気象庁のデータによると、釜石市の1月の降水量は8ミリ(昨年27ミリ)。2月は18日夜に降った雪による1ミリだけ(22日現在)と平年を大きく下回る値となっている。こうした状況から、同市では1月23日から2月23日まで連続で注意報または警報が発令されている。降水量の少なさで川の水量も大きく減少。佐藤予防係長は「消火栓が近くにない場所では川から水を吸い上げて消火しなければならない。山火事の場合は特にも」と危機的な川の水量不足も懸念。同注意報・警報の運用で、市民の予防意識は高まりつつあるとみられるが、「沿岸部の乾燥状態はしばらく続きそう。市民の皆さんにはくれぐれも火の取り扱いに十分な注意を払っていただきたい」と呼びかける。
 
山火事の危険性を伝え、火災防止への協力を求める釜石消防署署員

山火事の危険性を伝え、火災防止への協力を求める釜石消防署署員

 
 同注意報・警報の発令について、同署が直接市民に広報するのは今回が初めて。同局社員が毎朝、発令を耳にする中で、「発令の条件とか、知らない人もいるのでは。周知の部分で郵便局がお役に立てれば」と考え、両者協働での活動を企画した。同局では県との包括連携協定に基づき、2021年から「山火事防止運動」期間中、集配車両(軽4輪)に「山火事注意」のステッカーを貼ってきた。本年は大船渡の山林火災発生日の2月26日から同運動が展開される予定で、5月末まで釜石・大槌の郵便局で稼働する25台にステッカーを貼り、住民への注意喚起を図る。同局では昨年10月には警察などと特殊詐欺被害防止の啓発活動も実施。窓口営業部の佐藤忍部長は「郵便局として地域の安全を守ることに少しでも貢献できれば」と話す。
 
 釜石市内では今年に入り、2件(建物1、その他1)の火災が発生(19日現在)。同署では3月1日から7日まで展開される春季全国火災予防運動と合わせ、広く火災予防の周知徹底を図っていきたい考えだ。
 
「防ごう!山火事」。住民の意識を高めるため共に活動した釜石郵便局社員と釜石消防署署員

「防ごう!山火事」。住民の意識を高めるため共に活動した釜石郵便局社員と釜石消防署署員

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