海を知る「もっと」 いわて水産アカデミー入講式 7期生、浜の盛り上げへ決意
「浜の担い手に」と意気込むいわて水産アカデミー7期生
漁業の担い手を育成する「いわて水産アカデミー」(同アカデミー運営協議会主催)は10日、7期生10人を迎えて開講した。将来、岩手県の水産業を支える力になるため、釜石地域を含む三陸の海で実践研修を重ねながら知識や技術の習得に励む。
釜石市平田の県水産技術センターで入講式が行われた。7期生は10~30代、すでに漁業に携わる人もいれば、県内外からのU・I・Jターン者もいて、経歴はさまざま。同協議会長を務める佐藤法之県農林水産部長が「それぞれの夢や目標の実現に向け、仲間や地域住民とのつながりを大切にし、研さんを」と激励した。
いわて水産アカデミーの入講式に臨む7期生
入講した10人を激励する県農林水産部の佐藤法之部長
研修生を代表し、釜石東部漁協に所属しワカメやコンブなどの養殖業に携わる久保翼さんが「同じ思いを持つ仲間と互いに刺激し合い、共に成長し、地域に認められる漁業者になるため精いっぱい努力する。近い将来、漁業の担い手として地域に貢献したい」と決意を述べた。
研修に臨む決意を伝える久保翼さん(手前)
釜石・唐丹町で養殖や遊漁船事業などを手がける佐々木優貴さん(29)は地域外の技術も学ぼうと入講。研修許可証を手に、「どんな学びがあるか、楽しみ。近年の海洋環境の変化で漁業は厳しさもあるが、どう対策するか学び、考えていけたら。海のことを知り、地域を盛り上げていきたい」と意気込む。
佐々木優貴さんは身を引き締め、研修許可証を受け取った
研修生は1年間、基礎から漁業経営に必要となる高度知識までを学ぶ。釜石市、大船渡市、陸前高田市の漁業者の下でそれぞれ定置網漁や養殖業などを実践。ICT(情報通信技術)の活用や6次産業化などへの理解も深めながら、小型船舶操縦士などの免許取得も目指す。研修期間中に地域の行事やイベントなどにも参加して住民と交流し、修了後に地域に溶け込んでいけるような取り組みも予定する。
前を向く研修生。夢や目標の実現へ気持ちを新たにする
同協議会は、県内の漁業関係団体や市町村単位で設立された新規漁業就業者育成協議会、県で構成する。担い手の育成と地域への定着を図るべく、2019年にアカデミーを設置し、これまでに46人が修了。多くが県内各地の実践の場に飛び立ち、活躍している。

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