「釜石新聞NewS」 プレーバック2024年


2024/12/27
釜石新聞NewS

 東日本大震災から13年となった2024年の釜石―。復興へ歩み続ける一方、全国では災害が頻発し、備えの大切さを改めて感じる年となった。市内では周年イベントや新施設の開設が相次ぎ、未来を見据えた動きが進行。市民のスポーツでの活躍、地域のまつり再開など、笑顔あふれる瞬間も多かった。この1年を象徴する出来事を写真で振り返る。
 

震災13年・続く祈り

 
 歳月が流れても大切な人への思いは変わらない―。早朝から花を手向ける人の姿が見られた「釜石祈りのパーク」で、今回初めて市の追悼式が行われた。各所で静かな祈りが続く中、日蓮宗寺院の青年僧による慰霊法要行脚、鎮魂の花火の打ち上げは、県内外の被災地を思う心が結集し実現。「忘れない」「記憶を伝える」…気持ちはより深まる。
 
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釜石祈りのパークで続く祈り。刻まれた名に思いを伝える=3月11日

 
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日蓮宗の青年僧らが題目を唱えながら釜石市内を歩き、震災犠牲者を慰霊した=3月11日

 
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鎮魂の花火「白菊」と「とうほくのこよみのよぶね」(写真左)。白菊を手がける「嘉瀬煙火工業」の好意で他の花火も打ち上げられた(同右)=3月11日

 

能登支援・つながる思い

 
 元日に飛び込んできた「能登半島地震」発生の一報。釜石市民らは13年前の震災を重ね、いち早く支援活動に乗り出した。市赤十字奉仕団や釜石高・夢団、釜石野球団は商業施設で募金活動を展開。釜石ライオンズクラブは支援物資を集め、被災地に届けた。キッチンカーで営業するハピスコーヒーは現地に出向き、市民の応援メッセージを添えたコーヒーを振る舞った。
 
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釜石市赤十字奉仕団、釜石高・夢団はイオンタウン釜石で能登支援の募金を呼び掛けた=1月7日

 
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石川県に届ける支援物資を整理する釜石ライオンズクラブの会員=1月14日

 
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一杯に添える寄せ書き集め。キッチンカー営業のハピスコーヒーが始めた能登応援=2月

 

発展と挑戦・新たな動き

 
 地域活性化に向けた新たな動きも生まれた。1次産業を支える養鶏農場の新設、障害者や要介護者を見守る複合施設の完成、リサイクルセンターの整備など、持続可能な社会を目指す取り組みがスタート。国際コンテナ航路の増設で、開港90周年を迎えた釜石港の存在感がアップ。専門学校の開校は未来の人材育成につながると期待感を高めた。
 
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オヤマ(一関市)が釜石・栗林町に整備した養鶏農場「リアスファーム」を見学する関係者=3月22日

 
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釜石港に入港したコンテナ船の前で関係者がテープカット。計週3便が就航する=6月22日

 
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4月開校の釜石市国際外語大学校に日本語学科1期生が仲間入り。ネパール出身の16人が1年半学ぶ=10月28日

 

刻む歴史・周年記念

 
 長年受け継がれてきた伝統や歴史を振り返る機会も重なった。唐丹小創立150年をはじめ、釜石高は創立110年、かまいしこども園は開設10年と時を刻み、開業40年の三陸鉄道は地域の足として走り続ける。フランスのディーニュ・レ・バン市との姉妹都市提携は節目の30年。それぞれ記念行事を通じ、地域の絆や足跡を再確認した。
 
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創立150周年記念式典で地域へ感謝を伝える唐丹小児童=2月3日

 
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釜石駅に到着した三陸鉄道の開業40周年記念列車。大漁旗を振って歓迎=4月1日

 
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姉妹都市提携30周年記念の共同宣言に署名した小野共市長(右)とパトリシア・グラネ市長=9月21日

 

スポーツで躍進

 
 日々、精進を重ねる市民らの各種競技での活躍も光った。社会人硬式野球の釜石野球団は27年ぶりに東北大会に出場。自転車競技BMXでは小学生の越野杏音さん、斗葵さん姉弟が全国ランキング上位に。キキダンススクールの小中学生3チームは初挑戦のコンテストで全国大会に進出する快挙を見せた。釜石中特設ラグビー部は県中総体2連覇。子どもたちのさらなる成長に期待が高まる。
 
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東北大会進出で市内野球人に希望を与えた釜石野球団。一層のステップアップを誓う=7月

 
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開設4年目のキキダンススクールは初挑戦のコンテストで応募全3チームが全国大会進出を果たした=8月

 
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自転車競技のBMXレーシングに夢中な小学生姉弟、越野杏音さん(左)と斗葵さん=11月

 

祭りで地域に活気

 
 歴史ある神社と伝統芸能が魅力の釜石。今年はコロナ禍などで中止されていた地域の祭りの復活が相次いだ。大名行列で有名な唐丹・天照御祖神社の式年大祭(釜石さくら祭り)は6年ぶりの開催。片岸虎舞は6年ぶりの演舞で地元住民を喜ばせた。震災前以来16年ぶりの祭りとなったのは尾崎神社本宮。津波、山火事、台風豪雨と度重なる災害を乗り越えてきた尾崎白浜地区に大きな喜びが広がった。
 
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みこしとともに大名行列が練り歩いた天照御祖神社の式年大祭(釜石さくら祭り)=4月28日

 
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心一つ、片岸町で伝承される「片岸虎舞」を披露する保存会のメンバー。6年ぶりに躍動した=10月13日

 
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尾崎神社本宮の祭りで16年ぶりに行われた曳き船(みこし海上渡御)。漁の回復、地域の平穏を祈った=11月10日

 

こんな話題も…

 
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夢が詰まった贈り物「大谷グローブ」が釜石にも届いた。使い始めのキャッチボールを楽しむ栗林小児童=1月23日

 
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三陸沿岸の高速道完成を願い、開かれてきた「ルート45港町コンサート」が釜石で最終公演を迎えた。音楽で三陸をつないだ活動は27年に及び、民間レベルでの沿岸連携を押し進めた=4月21日

 
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震災で失われた水辺環境を復元し環境教育などに役立てようと、根浜シーサイド内にビオトープ(生物生息空間)が整備された。池ではさっそくトウホクサンショウウオのふ化が確認された=5月6日

 
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市指定文化財の巨木「和山のシナノキ」をはるかに上回る大きさの“新”シナノキが同じ和山高原で発見された。今後、市の新たな文化財指定へ期待が高まる=6月

 
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ラグビーワールドカップ釜石開催のレガシーを継承する「釜石絆の日」イベントに「スターダスト☆レビュー」が招かれ、スペシャルライブを行った。釜石鵜住居復興スタジアムでの初の本格音楽ライブとなり、約1500人が来場した=9月21日

 
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釜石応援フラッグパフォーマンスチーム「ちあ釜」が発足した。日本製鉄釜石シーウェイブスのオフィシャルサポーター葛巻舞香さんが立ち上げ、春から練習を開始。市内のイベント出演を重ね、念願のうのスタピッチでの披露が実現した=10月13日

 

後記

 
 市民の皆様、釜石新聞NewSをご覧いただいている全国の皆様、本年のご愛読ありがとうございました。皆様にとって特に印象深かったのはどんな話題でしたか?思い出したり会話のきっかけになりましたら幸いです。どうぞ穏やかな年末をお過ごしください。そして、新しい年が皆様にとって明るく実り多い一年となりますように!

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復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム


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