釜石に「富来旗チアチームを」カラーガード体験会初開催/SWプレシーズンマッチホーム最終戦結果
釜石で初めて開かれた「カラーガード体験会」=TETTO前広場
色とりどりの旗や木製ライフルなどを用いて音楽に合わせて演技する「カラーガード」の体験会が10月22日、釜石市大町の市民ホールTETTO前広場で開かれた。企画したのは、ラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)オフィシャルサポーターを務めるモデル、フリーリポーターの葛巻舞香さん(39)。SWの応援でもおなじみの大漁旗=地元では富来旗(フライキ)ともいう=を使った釜石ならではのチアチームを作ろうと、初めて開催した。今後、体験会を重ねながらチーム発足を目指す。
盛岡市を拠点に活動する本県唯一のカラーガードチーム「arbre(アルブル)」から出戸亨子代表とメンバーの小学、高校生4人が来釜。映画やアニメ作品で使われた3曲に合わせて短い演技を披露し、集まった市民らにカラーガードについて紹介した。
カラーガードは軍隊に由来する団体競技。マーチングでフラッグ(旗)、ライフル(銃)、セイバー(剣)などの手具を用いて演技し視覚的効果を担うほか、大会で技を競う。アルブルはマーチングの東北大会出場、地域イベントへの出演、バスケットボールの岩手ビッグブルズのハーフタイムショーでの演技披露など多彩に活動する。
岩手のカラーガードチーム「arbre」が音楽に合わせた演技を披露
指導にあたったarbreの出戸亨子代表(左)と体験会を企画した葛巻舞香さん(右)
最初は旗の持ち方や回し方など基本的動作を練習
本体験会は葛巻さんらが進める「釜石富来旗チアチーム発足プロジェクト」の第一歩として開催。カラーガードを知ってもらうところから始め、参加者が簡単な振り付けに挑戦した。30分ほどの練習で旗を回したり掲げたりする一連の動きができるまでに…。最後はアルブルのメンバーと一緒に演技し、2チームに分かれて客観的に演技を見合う体験もした。
昨年11月から同市の地域おこし協力隊として活動する竹中伸明さん(35)は「音楽に合わせて体を動かしたり、みんなの動きがバシッとそろったりするところが楽しい。扱いやすい旗の持ち方も教わり、重さもあまり感じない」と笑顔で体験。ラグビー関連の活動に力を入れていて、「試合の応援だけでなく、こういう演技がスタジアムに足を運ぶ要素になれば。うのスタに新たな景色が生まれるといい」と期待する。
市内で働く会社員女性(36)は「今、体験したぐらいの運動量なら子どもから年配の方までできそう。大勢でやれたら、きっとすごい迫力。釜石SWのいい力にもなれるのではないか。ぜひ、市民の皆さんと一緒にやってみたい」とチーム発足を願った。
体験会の最後は全員で短い演技を披露。カラフルな旗が華やかに舞う
うのスタの釜石SW戦での披露を目指し、富来旗チア発足のためのプロジェクトがスタート!
自身も初めて体験するという葛巻さんは「旗がはためいたり、きれいに開いたりするとすごく気持ちがいい。これが大漁旗だったら、かっこいいだろうなぁ…」。同市で頑張る人たちとのつながりも期待し、「地元のいろいろな踊りともコラボ可能。釜石をさらに盛り上げていければ」とチーム発足へ思いを強くする。来年3月に釜石鵜住居復興スタジアムで行われる釜石SW戦での披露を目標に掲げる。
釜石SWプレシーズン第4戦 トヨタヴェルブリッツと 課題のスクラム改善 プレーの質向上目指す
プレシーズンマッチでトヨタヴェルブリッツと対戦した釜石SW(赤ジャージー)
ジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は10月21日、釜石鵜住居復興スタジアムで同1部のトヨタヴェルブリッツと対戦した。プレシーズンマッチ4戦目で、ホームでは開幕前最後の試合。21-57の大差で敗れたが、課題のスクラムなどで相手にプレッシャーを与える場面も見られ、着実に力をつけていることをうかがわせた。
釜石は前半、ブレイクダウンでのプレッシャー、速いテンポの攻撃などトヨタの強さに押され、5トライを奪われた。28分にラインアウトモールから認定トライ、36分にもモール攻撃でナンバー8セタ・コロイタマナがトライ(SO落和史ゴール成功)を決め、14-31で折り返した。後半もトヨタ選手の質の高いプレー、堅いディフェンスに阻まれ、苦しい時間が続いた。釜石の得点は14分、後半出場のナンバー8サム・ヘンウッドの中央へのトライ(落ゴール成功)。トヨタにさらに3トライを重ねられた釜石は21-57で敗れた。
後半14分、サム・ヘンウッドが相手をかわして走り込み、中央にトライ
後半は一時的に雨と風が強まり、観戦客は屋根のある場所などに避難
試合後、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「負けてしまったが、(強化してきた)スクラムは低さという部分で改善が見られ、今後の自信につながる」。WTB小野航大主将は「セットではある程度ボールを確保できていたが、ラインスピードを上げてプレッシャーをかけたいディフェンスが思うようにできなかった」と反省。自分たちの強み、目指すべきところを明確にする必要性を示した。
プレシーズンマッチは残り2試合が確定。次回は11月11日、NEC我孫子グラウンドでNECグリーンロケッツ東葛と、同18日は夢の島競技場で清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
これまでは昨季、出場機会が少なかった選手、若手選手らを中心に起用し、チームの底上げを図ってきた釜石SW。12月のリーグ開幕に向け、須田HCは「昨季、いいパフォーマンスを見せたメンバーも含め、今後SWとしてのトップチームを作りあげていく予定。コミュニケーション、プレーの質も向上し、一段違うSWが見られるのではないか」と期待。小野主将は「選手にとってはさらに競争意識を高め、トップチームに入っていくことが焦点になる。今年、やろうとしていることをどれだけ表現できるかがポイント。今季の開幕に向け、見通しのたつような試合にしたい」と意気込んだ。
釜石SWの開幕戦は12月10日。釜石鵜住居復興スタジアムで豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。
この日は『黄金の國、いわて。』Presents招待試合として行われ、トヨタチームに県産米などが贈られた
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム