手話、点字、アート…福祉活動あれこれ 釜石でふれあいまつり 宝探しの百円市も


2023/09/08
釜石新聞NewS #福祉

さまざまな団体がコラボしたステージ発表は盛り上がった

さまざまな団体がコラボしたステージ発表は盛り上がった

 
 釜石市ふれあい福祉まつり(同実行委員会主催)は2日、大町の市民ホールTETTOで開かれ、来場者が市内外の福祉団体やキッチンカーなどの物販やステージイベントを楽しんだ。釜石まちづくり会社主催の「かまいし百円市」も同時開催。掘り出し物を探す人でにぎわった。
 
 まつりは障害者福祉に関わる団体で構成する実行委が、「誰もがともに楽しめるまちづくり」の推進を目指して継続し、今回で30回目となった。釜石や大槌の作業所などが出店し、真心を込めて手作りした菓子やパン、手芸品を販売。作業所の利用者や支援学校の生徒らが想像力を働かせて生み出したアート作品も展示した。
 
福祉事業所が作製した手芸品などが並んだ物販コーナー

福祉事業所が作製した手芸品などが並んだ物販コーナー

 
展示コーナーには個性、独創性あふれる作品が並んだ

展示コーナーには個性、独創性あふれる作品が並んだ

 
 さまざまな福祉活動を紹介する場でもあり、釜石市の点訳グループ「楽点舎」は点字器と点筆で名前を打つ体験を用意。来場者は実際に打った点字を触ったりして「もう一つの文字」に理解を深めた。同グループは現在8人で活動。視覚障害者も市の広報誌を読めるようにと「点字広報」を作成し、希望者に送っている。最近はパソコンを使って作成し、メールのやりとりで作業が完了するといい、会員が顔を合わせるのも久しぶり。自身も視覚に障害がある代表の小笠原拓生さん(56)は「体験してもらうことで活動を伝えられる」と、ふれあいの機会を喜んだ。
 
点字で書き込んだ自分の名前に触れる体験者(左)

点字で書き込んだ自分の名前に触れる体験者(左)

 
「一緒に活動を」と呼びかける「楽点舎」のメンバー

「一緒に活動を」と呼びかける「楽点舎」のメンバー

 
 人気を集めたのは、釜石出身のアーティスト小林覚さん(34)=花巻市・るんびいに美術館に在籍=のサイン会。自由自在な線の造形性が魅力の「サトル文字」で好きな言葉、名前を書いてもらえるとあって希望者で列ができた。
 
 大只越町の阿部典代さん(59)が選んだ言葉は「ブルズがんばれ」。ペンを無造作に走らせている?と思えることもあり興味深げにのぞき込んでいたが、よく目を凝らすとアレンジされた文字が浮かび上がり、「すてき。うれしい」と感激していた。
 
依頼を受けて名前を書く「逆サイン会」に臨む小林覚さん(手前右)

依頼を受けて名前を書く「逆サイン会」に臨む小林覚さん(手前右)

 
「サトル文字」が描かれた色紙を手に目を細める来場者

「サトル文字」が描かれた色紙を手に目を細める来場者

 
 ステージイベントも盛り上がった。手話とフラダンス、福祉事業所がコラボした「パプリカ」は観客も振り付けをまねたり、手拍子で参加して大にぎわい。大槌町のわらび学園を利用する30歳男性は「うまく踊れた」と満足げだった。歌担当で釜石高音楽部の4人も参加。部長の横澤美花さん(2年)は「みんな楽しそうだった。手話も取り入れて、たくさんの人に歌の楽しさを届けられたら」と刺激を受けた。
 
手話と笑顔を交えて音楽の楽しさを伝えるステージイベント

手話と笑顔を交えて音楽の楽しさを伝えるステージイベント

 
同時開催の百円市には手作り品や掘り出し物が並んだ

同時開催の百円市には手作り品や掘り出し物が並んだ

 
 百円市は4回目の開催。ハンドメード雑貨や新鮮野菜などを売り出すブースが並び、老若男女が100円玉を手に宝探しを満喫した。初出店の菊池忠孝さん(64)、順子さん(62)夫妻=野田町=は「いらないものだから、100円でも売れればいい」と、フィギュアや古本などを陳列。“箱買い”した人が「大事にします」と喜んでいたのがうれしく、「イベントの継続を」と望んだ。

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム


釜石のイベント情報

もっと見る

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス