鵜住居地域の球友 再会に笑顔 伝統の「水野旗お盆野球」4年ぶりに快音 好・珍プレーも!?


2023/08/21
釜石新聞NewS #スポーツ

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4年ぶりに開かれた第67回水野旗争奪お盆野球大会=14日、鵜住居町

 
 釜石市鵜住居地区の夏恒例、水野旗争奪お盆野球大会(大里芳章実行委員長)が14日、釜石東中グラウンドで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたが、4年ぶりに復活。大会は67回目を迎えた。あいにくの雨模様となったが、顔なじみの仲間との野球の楽しさは昔も今も変わらず。和気あいあいの試合にたくさんの笑顔が弾けた。
 
 同大会は地元の開業医だった故水野勇さん(1995年逝去)が、「戦後の青少年の健全育成に」と提案。48(昭和23)年に第1回大会が開かれて以来、今に受け継がれる。お盆中に行われることから帰省者らも数多く参加。年に一度、旧交を温め合う場になってきた。2011年の東日本大震災後、6年の中断を経て17年に復活。3年続けたところでコロナ禍に見舞われた。再び中止を余儀なくされたが、今年待望の“再復活” を果たした。
 
 今大会には鵜住居、日向、両石、箱崎、白浜の5チームが参加。中学生から社会人まで約70人が集った。1試合7回のトーナメント戦。試合中は、グラウンドのぬかるみで予想外の動きをする球にてこずったり、野球経験のある投手の速球に翻弄(ほんろう)されたり…。得点に結びつく好打が出ると、ベンチは大いに盛り上がった。ホームランが出ると記念品の贈呈も。
 
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断続的に雨が降り続く中、行われた大会。鵜住居対箱崎の一戦

 
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親睦大会でもプレーでは随所に本気がにじみ出る

 
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泥まみれもなんのその。野球の面白さは変わらず…

 
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ホームランを打った選手(右)には記念品を贈呈

 
 今大会初ホームランを放ったのは、中学、高校で野球経験のある鵜住居チームの紺野聖人さん(30)。「気持ちが乗って遠くまで飛んだ」と、笑顔でホームラン賞を受け取った。同大会には中学生時代から参加。4年ぶりの大会に「待ち遠しかった。これがないと鵜住居のお盆は盛り上がらない」と再開を喜んだ。
 
 白浜チームのベンチで、父久嗣さん(43)、兄爽汰さん(19)に声援を送ったのは鵜住居小4年の浦島光真君。「頑張っているけど、パパ、あまり打ってない…」。それでも2人がグラウンドに立つ姿は「ちょっとかっこいい」とにっこり。「中学生になったら自分も出たい」と3年後の大会を心待ちにした。「うちのチームはガチでいくよりは、みんなで楽しむ感じ。親子での参加も多い」と久嗣さん。震災後、被災地域ではコミュニティーの形成が課題となっているが、「こうしてみんなが集まって何かするというのはなかなかないので、とてもいいこと」と実感を込めた。
 
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投手は野球経験者らが中心。迫力の速球も…

 
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渾身の長打で得点につなげる選手も。仲間からは拍手喝采

 
 両石チームの瀬戸大地さん(22)は現在、東京都在住。大会参加は2回目で「顔見知りが多く、めったに会えない人たちと会えるので楽しい」と満喫。小中高と野球に親しんだ瀬戸さん。昨年、夏の高校野球で東北勢初の全国制覇を果たした仙台育英学園高の3年生メンバー洞口優人さん(釜石東中出身、富士大1年)とは小学生時代、一緒にプレーしていたといい、「甲子園出場、優勝は同じ地元としてうれしかった」と話す。岩手出身の野球選手の活躍が古里に与える効果も感じながら、「お盆野球もまちが活気づく。長く続いてほしい」と願った。
 
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渾身のフルスイングあり、おどけあり… 野球を楽しむのも全力で!!

 
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味方選手のプレーに笑みを広げる両石チーム(上段)と、ホームランに沸く白浜チーム(下段)

 
 試合開始時は小雨程度で、一時やむ時間帯もあったが、3試合目の途中で雨脚が強まり試合継続を断念。3-3の同点だった両石対白浜は、選手9人のじゃんけん対決で白浜の決勝進出。最後は、決勝で対戦するはずだった白浜と鵜住居が同じゃんけんで勝敗を決めた。
 
大会結果は次の通り
【1回戦】日向1-5白浜
【2回戦=準決勝】鵜住居5-4箱崎  両石3-3白浜(じゃんけんで白浜勝利)
【決勝】鵜住居と白浜がじゃんけんし鵜住居が優勝
【最優秀選手】小笠原忠大(鵜住居)
【優秀選手】佐々木陽聖(白浜)
 
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被災後、町中心部4地区を集約した鵜住居チームは17年の復活大会から3連覇。今回のじゃんけん決戦も制した

 
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準優勝の白浜チームは、次世代の大会を担う子どもたちが表彰を受けた

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