「かまいし軽トラ市」4年目のスタート 地域の農林水産物、菓子、花苗など多彩に販売
買い物客でにぎわう2023年度第1回かまいし軽トラ市=16日
地元の農林水産物や菓子、手工芸品などを生産者が直売する「かまいし軽トラ市」が16日、本年度の開催初日を迎えた。初出店の2業者を含む12店が出店。楽しみにしていた市民らが買い物を楽しんだ。4年目となる今季は11月まで月1回の開催を予定する。
釜石市水産農林課が主催する同イベントは、地元生産者の販路拡大や農林水産業の担い手育成などを目指し2020年度にスタート。農作物の収穫時期に合わせ初夏から晩秋にかけて、市街地を中心に開催される。本年度は周辺飲食店などへの誘客にもつなげようと、開催時間を1時間延長し正午までにした。
初回の市は大町の市民ホールTETTO前広場が会場。市内の産直や農園、水産加工業者などが自慢の品を持ち寄り販売した。収穫期を迎えたジャガイモやトマト、キュウリなど夏野菜、漬物、花苗、菓子、ワイン…。多彩な商品が並んだ。釜石・大槌地域農業振興協議会は“100円でピーマン詰め放題”の大盤振る舞い。 来場者は生産者との交流も楽しみながら、商品を買い求めた。
ピーマンの詰め放題は大人気! 100円で400円相当をゲット
ラベンダーファームおざわ(唐丹町)は切り花や花苗を販売
中華菓子の代表格「月餅」を販売したのは、甲子町に「リリーズ美食工房」を構える中国出身の高莉莉さん(41)。コロナ禍で本国への帰省ができなかった時期に古里の味を求めて自作した月餅が周囲の反響を呼び、昨春から商品化。小豆から作る甘さ控えめのあんこなど4種の味を提供している。普段はSNSなどでの注文販売や小佐野町の自宅前での無人販売を行っており、軽トラ市への出店は今回が初めて。「興味を持ってくれる人が多く、反応も上々。お客さんとのやりとりも楽しい」と莉莉さん。将来、常設の販売店舗を持つのが夢だという。
無添加、手作りの月餅を販売したリリーズ美食工房の高莉莉さん(中央)
木工製品を並べた甲子町(中小川)の外川直樹さん(50)も初出店。自営の製材所で余った端材を生かし製作した縁台などのほか、さまざまな用途に使える角材や板材を販売した。ヒノキ、ケヤキの木材は釜石をはじめとする県内産。これまで木工品は知人に頼まれて製作する程度だったが、「需要があれば」と今回初めて公の場で製品を紹介。立ち寄った客からは「まな板はできる?」など、製作可能なものについて質問が寄せられた。「注文があれば、できるだけこなしたい」と受注生産に意欲を見せる外川さん。次回以降の軽トラ市にも出店予定で、地場産木材の良さも広めたい考え。
「Sal(外川製材所の英語表記の頭文字)」の出店名で木工品を並べた外川直樹さん(左)。角材、板材も安く提供
「スタンプラリーもどうぞ」来場者にプレゼント企画を紹介
会場では、3店舗で買い物をすると地元産野菜がもらえる恒例のスタンプラリーも実施。今回は先着150人に釜石産菌床シイタケがプレゼントされた。綿あめの無料配布もあり、子どもたちを喜ばせた。
毎回足を運ぶという甲子町(上小川)の男性(71)は「物価高もあり、野菜などを安く買えるのが一番の魅力。月2回とか回数を増やしてほしい。会場内でスイーツや飲み物を試食できる場があれば、売り上げ増にもつながるのではないか。出店者を増やし、他地域にも情報発信すればもっと客が集まると思う」と話した。
昨年度の軽トラ市は5回の開催に1969人が来場(平均393人)。1回の出店者数は平均11団体だった。次回は8月20日午前9時から正午まで、鵜住居町・うのすまいトモスの広場(三陸鉄道鵜住居駅前)で開かれる(トモスdeマルシェと同時開催)。
釜石新聞NewS
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