防犯・交通安全の視点を持とう!釜石市内で呼びかけ 地域安全と交通事故防止合同出動式
新たなスタートを迎える春。街頭で安全運転を呼び掛けた
釜石市防犯協会(岩渕善吉会長)と市交通安全対策協議会(会長・野田武則市長)は6日、大町の市民ホールTETTOで春の地域安全運動、新入学期の交通事故防止推進期間(6~15日)の合同出動式を行った。防犯・交通関係団体から100人余りが参加。式後に街頭活動を行い、子どもたちへの交通ルール周知や運転者の意識向上、犯罪被害防止を呼びかけた。
合同出動式で、岩渕会長は「市内でも被害が認知されている特殊詐欺は次々と新しい手口が登場したり巧妙化しており、細心の注意が必要だ。新入学期になると子どもの行動範囲が広がる。日常生活の中で防犯、交通安全の視点を持って見守り活動を行ってほしい」とあいさつした。
釜石警察署の田中洋二署長は管内の治安や交通情勢を説明。「2022年の刑法犯認知件数は2件増加の75件、特殊詐欺は予兆電話が依然として後を絶たず、子どもや女性に対する声かけなど安全安心を脅かす事案も断続的に発生している」とし、関係団体と連携した犯罪抑止活動の推進を強調した。また、管内では昨年中に3件(3人)の交通死亡事故が発生。今年1月には横断歩道上の歩行者を高齢者が運転する車がはねるという重傷事故も発生し、「予断を許さない情勢。街頭活動を実施することで、より多くの方の安全意識の高揚が図れることを期待する」と激励した。
地域や子どもたちを守る活動に意欲を高めるボランティアら
安全指導に出動する防犯パトロール車を関係者が見送った
参加者は安全指導に出動する警察のパトカー、ボランティアが乗った青色防犯パトロール車を見送り、目抜き通りとイオンタウン釜石の出入り口に分かれて両運動のスタートを市民に伝えた。TETTO前の県道(主要地方道)沿いでは「事故多発注意」「自転車安全運転」「携帯電話運転禁止」などと呼びかける手持ちの看板を掲げてアピールした。
改正道路交通法の施行で、今月から自転車に乗る時は全年齢でヘルメット着用が努力義務となったこと踏まえ、周知活動を強化。20年に全国で起きた自転車に乗った人の事故で、死者の約6割が頭部に致命傷を負っていた―といった実態や「自転車安全利用五則」を示したチラシを、歩行者やヘルメット未着用の自転車利用者に配った。
自転車利用時のヘルメット着用を呼びかけるチラシを配布
「気を付けて」。まちの安全へ市民個々の意識高揚を訴えた
地域安全運動は「なくそう犯罪 ふやそう笑顔 みんな大好き岩手県」をスローガンに掲げる。▽子ども・女性・高齢者の犯罪被害防止▽鍵かけの励行-を重点とし、青色回転灯装備車両による防犯パトロールなど啓発活動を展開。関連で、釜石署は11日に市内3町内会へ「鍵かけモデル地区」指定書を交付、防犯意識を高めてもらい施錠の習慣化を図る。
交通事故防止推進期間における活動は、今年行われる統一地方選挙の影響で、例年4月に実施する春の全国交通安全運動が5月11~20日にずれるため岩手県が独自に講じた対策。事故が起きやすい新入学期に、関係団体が連携して子どもの安全を守る活動を強化する。スローガンは「あげた手は いのちをしらせる 警報機」。▽運転者の歩行者保護と道路横断者の交通マナー向上▽自転車の安全利用の推進▽すべての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底-を重点に据える。
釜石新聞NewS
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