脱炭素社会実現へ連携 釜石市、ゼロボード(東京都)、岩手銀行が基本合意
釜石市内における脱炭素社会実現に向けた連携について発表した(右から)岩手銀行の佐藤求専務、野田武則市長、ゼロボードの坂本洋一本部長
釜石市は脱炭素社会実現に向け、温室効果ガス(GHG)排出量算定・可視化クラウドサービスを提供するゼロボード(渡慶次道隆代表取締役、東京都)、岩手銀行(岩山徹代表取締役頭取)と連携し各種取り組みを進めることを17日、発表した。同市の公共施設にサービスを導入し、GHG排出量を測定。計画を立て削減に取り組むとともに、市内企業への普及啓発を図っていく方針。両社と本県自治体との同様の連携は6例目となる。
同市は昨年10月、2050年までにカーボンニュートラル(GHG排出量実質ゼロ)実現を目指すことを表明。本年1月、ゼロカーボンシティ推進室を立ち上げた。全市的な取り組みへの第一歩として、同市が所管する公共施設のGHG排出量を把握し、実効性のある削減策につなげる事業に着手する。排出量の測定にはゼロボードが開発、提供するシステムを利用。約350施設に順次導入し、測定データを基に23年度内に削減計画を策定。24年度から計画に基づく取り組みを開始したい考え。
岩手銀行は6月から脱炭素経営に取り組む企業向けの融資を開始した。金利優遇などで支援するほか、事業者とゼロボードをつなぐ役割も果たす。ゼロボードはシステム利用の指導、データベース管理、削減に関するアドバイスなどを担う。
基本合意書締結にかかる発表会=17日、市役所
3者は14日に基本合意書を締結。17日、市役所で経緯や連携内容などについて報道陣に発表した。野田武則市長は「これらの取り組みが市内に広く展開され、2050年までのカーボンニュートラル実現が加速することを期待する」、ゼロボードの坂本洋一ビジネス本部長は「環境配慮が深く根付く地域社会の達成に貢献したい」、岩手銀行の佐藤求取締役専務執行役員は「締結を機に地域の脱炭素支援に一層尽力していく」と思いを述べた。
県は毎年、各自治体を対象にエネルギー使用量現況調査を実施。同市ではこれまでエクセル表でデータを取りまとめてきたが、集計などさまざまな業務の手間、表の見づらさがあった。導入するクラウドを使ったサービスは作業効率の向上、負担軽減、公表しやすさなどのメリットがある。市の担当者は「市役所が率先して見える化の取り組みを進めることで、企業を含め市全体の関心を高めていきたい」と話す。
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