大正琴で懐かしのメロディー 琴城流・白百合会(釜石) 成果発表「若くあるため挑戦」
稽古の成果を披露する白百合会の「大正琴のつどい」
釜石市の琴城流大正琴・白百合会(鈴木琴節永代表)は8日、大町の市民ホールTETTOで「大正琴のつどい」(市民芸術文化祭参加)を開き、日ごろの稽古の成果を発表した。女形舞踊を披露する尚玉泉さん、同会に練習場所を開放する日本キリスト教団新生釜石教会の牧師柳谷雄介さんが賛助出演。演奏に乗せて踊って歌うにぎやかな舞台を約100人の観客が楽しんだ。
観客は大正琴の演奏に合わせ踊りや歌も楽しんだ
鈴木代表と会員5人が出演し、「北上夜曲」「南部蝉しぐれ」「上を向いて歩こう」など昭和から平成の歌謡曲など15曲を演奏した。柳谷さんや会員の北條市さんが演奏に乗せて歌う場面では、マスク越しながら観客も歌詞を口ずさみ歌声を重ねた。「津軽の花」「雪椿」「女のしぐれ」では尚さんのあでやかな舞を堪能。「釜石小唄」では手踊りや手拍子で演奏を盛り上げる人の姿も見られた。
会員は稽古の成果を発揮し息の合った演奏を披露した
はつらつとした歌声を響かせた柳谷さん(右)
尚さんはあでやかな舞で観客を魅了した
大渡町の佐々木かつのさん(80)は東日本大震災後の避難生活で親交を深めた友人2人と鑑賞。懐かしさがにじむような大正琴の音色、朗らかな歌声、華麗な踊りを一度に楽しんで満足な様子で、「耳と目の保養になった」と目を細めた。
同会の活動は35年続く。現在の会員は70~90代の8人。月2回、同教会で稽古に励む。市内の復興住宅や各地区の生活応援センターなどで開く演奏会は新型コロナウイルスの感染状況に配慮しながら継続。つどいも欠かさず開催し、回を重ねてきた。
大正琴を始めて22年目の小笠原みき子さん(72)=栗林町=は「お客さんとの距離が近くて緊張したが、手拍子などの反応があってだんだん気分が乗って楽しく演奏できた。老化で覚えは悪くなっているが、仲間がいるから続けられる。演奏会を見て興味を持ってもらえたら、うれしい。知っているような曲ばかりなので、一人でも多くの人に触れてもらえたら」と期待した。
演奏会を終え、充実感あふれる笑顔を見せる会員ら
つどいでは会員5人に琴城流大正琴振興会本部表彰の伝達も行われた。80歳以上の永年表彰は北條さん、増田ツル子さん、川畑節さんが受賞。大正琴の普及に貢献した功労者として小笠原さん、阿部孝子さんに賞状が贈られた。
鈴木代表は「35年、いろんな人に出会い、助けられた。それが何より。『若くあるためには挑戦すること』がいいと聞く。新しい曲に挑みながら、活動を続けたい。趣味や活動の場が広がるような演奏会も開いていきたい」と前を向いた。
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