木のぬくもりに包まれた新校舎に初登校 釜石祥雲支援学校 平田に移転、小中高一体整備
釜石新聞NewS
真新しい校舎での生活に期待を高める生徒たち
釜石祥雲支援学校(外館梯校長、児童生徒67人)は23日、釜石市平田町に完成した新校舎の利用を始めた。定内町の旧校舎の約13倍となる広い環境に小中学部と高等部を一体的に整備。夏休み明けの子どもたちが元気に初登校し、木のぬくもりに包まれた真新しい校舎での生活に期待を膨らませた。
体育館で全体集会を行った後、児童生徒は各教室で夏休みの思い出を伝え合ったり、校舎内を探検したりした。木がふんだんに使われたきれいな校舎にワクワクした様子で、高等部生徒会長の佐々木都(ひろ)君(3年)は「下級生との交流も楽しめたら」と想像。中学部3年の三浦翔太君は「バスケットボールとかスポーツを頑張りたい」、クラスメートの佐竹惇希君と栗澤茜さんも紙漉(す)きなどの作業学習に意欲を見せた。
平田町に新設された釜石祥雲支援学校の新校舎
木をふんだんに使い、ぬくもりあふれる空間が完成した
新校舎は旧釜石商高跡地約2万8000平方メートルを活用し整備。木造一部鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は3932平方メートル。図書室に配置したテーブルやいす、書架などは県産材を利用した。車いす利用者のスムーズな移動にも配慮した広い廊下、建物内外の段差の解消、エレベーターや多目的トイレを設置するなどバリアフリーに対応している。
定内町の旧校舎は1978年に前身の県立釜石養護学校として建設された。敷地面積2200平方メートル、延べ床面積1662平方メートルと狭いため教室が不足し、高等部は甲子町の釜石高内に併設される形となっていた。体育館もなく、校舎自体も老朽化。課題を解消するため移転新築工事を進め、今月5日に完成した。
学部を超えた交流促進も期待される
小中高等部を一体的に整備したことで、12年間の一貫指導が可能になる。外館校長は「刺激し合いながら伸び伸びとやりたいことにチャレンジし、力を発揮してほしい」と期待。国立釜石病院の入院者が学ぶ院内のしゃくなげ分教室は存続し、交流を模索する。
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