岩手国体レガシー脈々と 釜石オープンウォータースイミング 最多255人が力泳


2022/08/09
釜石新聞NewS #スポーツ

夏空の下、開催された第6回釜石オープンウォータースイミング2022根浜

夏空の下、開催された第6回釜石オープンウォータースイミング2022根浜

 
 釜石オープンウォータースイミング(OWS)2022根浜(実行委主催)は7月31日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場で開かれた。2016年の岩手国体で同競技会場となったのを機に、翌17年から地元主導で継続される同大会。日本水泳連盟認定サーキット17戦の一つとして年々認知度も高まっており、今年は最多の255人が参加。選手らは自己ベスト更新を目指し、各種目で力泳を見せた。
 
 OWSは海などの自然水域でタイムを競う長距離泳。五輪では08年の北京大会から10キロ競技が、国体では釜石が会場となった岩手国体から5キロ競技が正式種目として採用され、競技人口増加に拍車をかける。
 
 釜石大会は500メートル(小学4~6年)、1キロ(小学生以上)、3キロ(中学生以上)、5キロ(同)の競技を海上に設置したブイを周回するコースで行う。小学3年以上を対象としたOWS検定5級の集団泳は砂浜近くの海域で実施。各競技は年齢や男女別に1~3位までを表彰。新型コロナウイルス対策として今大会の表彰式は省略した。
 
海水浴客の視線を集めながらスタートする1キロの部の選手

海水浴客の視線を集めながらスタートする1キロの部の選手

 
スタートエリアに向かう5キロ日本選手権トライアルの出場選手

スタートエリアに向かう5キロ日本選手権トライアルの出場選手
 
スタートを待つ3キロ(黄色キャップ)と5キロ一般(桃色同)の部の選手

スタートを待つ3キロ(黄色キャップ)と5キロ一般(桃色同)の部の選手

 
 かまいしSC所属の佐々木遥汰君(唐丹小5年)は「海で泳ぐのにも慣れていたほうがいい」と500メートルに初出場。「プールとは違って疲れた。今日の泳ぎは50点ぐらい。もうちょっと早くいけるかな」と自己分析。「大人になっても役立ちそう。また挑戦してみたい」と次を見据えた。
 
 実力者がそろう「5キロ日本選手権トライアル」男子の部で優勝したのは、新潟医療福祉大4年の綿貫慶吾さん(22)。OWS初のレースは17年の釜石大会。コロナ禍でこの2年間、各地の大会が中止されてきた中、「こうして開いてもらえるのはうれしい」と感謝。「根浜の海は泳ぎやすい。今日も水温22度とちょうどいい」と好環境も喜ぶ。出身地の群馬県代表での国体出場を目指しており、「選ばれたら入賞を目標に頑張りたい」と意欲を見せた。
 
5キロ日本選手権トライアル男子1位でゴールした綿貫慶吾選手

5キロ日本選手権トライアル男子1位でゴールした綿貫慶吾選手

 
 同トライアル女子の優勝は、大館桂桜高2年の小笠原佳音さん(17)。昨年に続き2回目の参加で、見事初優勝に輝いた。「タイムも良かったし、順位も予想以上」と満足げ。競技をやっている高校の先輩を見て、「自分も」と挑戦。OWSの魅力を「波に乗って泳ぐ面白さ。景色も見ながら…」と語り、今後の目標として「国体での上位入賞。日本選手権出場」を掲げた。
 
5キロ日本選手権トライアル女子1位の小笠原佳音選手(左)

5キロ日本選手権トライアル女子1位の小笠原佳音選手(左)

 
 今大会には、1982年に日本人初のドーバー海峡横断公認記録(9時間32分)を残した日本遠泳の第一人者、大貫映子さん(62)=日水連OWS委員=が3年ぶりに来場。大貫さんは東日本大震災後、釜石はまゆりトライアスロン国際大会復活に向けたアクアスロン大会(2013年)のリレーに参加。岩手国体OWS競技の実現に大きく貢献し、釜石との深い縁をつなぐ。
 
 釜石での大会継続について、「指導者らの競技普及への熱意が伝わってくる。全国の大会の中でも釜石は子どもたちの参加率が高い。競技に親しんだ子たちが成長して、大会運営にボランティア参加してくれているのも頼もしい」と大貫さん。根浜の復興状況にも目を見張り、「よくぞここまで復活された」と感慨を口にした。
 
開会式であいさつする大貫映子さん(左)

開会式であいさつする大貫映子さん(左)

 
大会は東日本大震災津波被害からの復興が完了した海岸で行われた

大会は東日本大震災津波被害からの復興が完了した海岸で行われた

 
 県水泳連盟は今大会の成績を基に、いちご一会とちぎ国体OWS競技(9月10日、栃木県市貝町)に出場する本県代表選手を決定。男子は舘下温人さん(17、花巻東高)、女子は平賀雛さん(17、花巻南高)が選ばれた。国体は新型コロナの影響で、2020、21年と中止されており、今年予定通り開催されれば3年ぶりの大会となる。

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