パワーリフティング・関村駿央さん(釜石) 北日本の大会 初出場で準優勝
北海道・東北ブロック選抜パワーリフティング選手権で初めて準優勝した関村駿央さん
釜石市の関村駿央(としひろ)さん(31)=釜石警察署勤務=は、5月29日に青森県藤崎町で開かれた第7回北海道・東北ブロック選抜パワーリフティング選手権大会(2022とちぎ国体最終予選会)105キロ級で準優勝に輝いた。全国トップレベルの選手がそろう大会に初めて出場し、上位に食い込む実力を見せた関村さん。目標とする国体出場は逃したが、今後につながる大きな手応えを感じ、さらなる高みを目指す。
パワーリフティングはウエイトトレーニングの集大成とされる競技で、スクワット(脚力)、ベンチプレス(腕力)、デッドリフト(背筋力)の3種目を行い、持ち上げたバーベルの総重量を競う。
バーベルを肩に担ぎ、規定の深さまでしゃがんだ後、立ち上がる「スクワット」
ベンチ台に寝てバーベルを胸まで下ろした後、押し上げる「ベンチプレス」
床に置いてあるバーベルを直立姿勢まで引き上げる「デッドリフト」
関村さんは、本格的な大会出場となった昨年11月の県予選(北上市)で優勝。7道県の代表が集まる同大会では、スクワット250キロ、ベンチプレス170キロ、デッドリフト260キロの計680キロを挙げ、準優勝した。優勝者との差は90キロ。「最初の大きな大会にしては目標とした記録は出せたのではないか」。他の出場者は「この世界では有名な人たちばかり」という、強豪ひしめく中での競技経験を大きなステップと捉える。
市営プール内のトレーニングルームで練習に励む関村駿央さん
幼稚園から高校まで水泳に励んだ関村さんは、大学入学と同時に陸上のハンマー投げに転向。体づくりのため、本格的に筋力トレーニングを始めた。やるほどに力がついていくことが楽しくなり、卒業後も警察官として働く傍らトレーニングを継続。自宅に機器をそろえるほか、釜石赴任後は市営プールのトレーニングルームや大船渡市の24時間営業の施設などに出向き鍛錬を続ける。
身長175センチ、体重98キロ。トレーニングの成果は体格にも如実に表れ、高校卒業時の65キロから大幅に増量。3年ほど前から大会出場を目指すようになり、競技を意識した練習に励む。現在の自己ベストはスクワット270キロ、ベンチプレス180キロ、デッドリフト275キロ。
体幹、腕、脚の筋肉が日ごろのトレーニングの成果を物語る
今後の目標に掲げるのは、大会で総重量700キロ以上を出すこと。自身の体重は現階級では軽いほうで、「少し減量して1つ下の階級でトップを狙ったほうが、本来の力を出せるのかも」と戦い方を探る。国体選手になることも大きな目標の一つ。関村さんは全日本大会出場のための標準記録(105キロ級では650キロ)をクリアしており、今後、国体を含む全国大会出場がかなえば、上位入賞も期待される。
関村さんの今後の活躍に地元関係者も注目する
地元競技関係者によると、本県からは過去にベンチプレスの世界大会やアジア大会、国体パワーリフティングの優勝者も出ており、全国的に見てもレベルの高さが際立つ。「身近に先駆者がいることで上を目指して頑張る人たちが増え、県全体の底上げが図られているのでは」。
釜石市内から大会に出ている人はまだ少ないが、“予備軍”は10人以上。関係者が願うのは、誰でも気軽に利用可能なトレーニング施設の整備。筋力トレーニングはパワーリフティング競技を目指す人だけでなく、あらゆるスポーツに必要な体づくりの基本。「他市では公共の体育館にトレーニング施設が併設されるなど恵まれた環境がある。釜石から東北、全国の舞台で活躍する選手を輩出するためにも、地元に充実した施設が欲しい。全日本クラスの大会やスポーツ合宿誘致にもそうした施設は絶対必要」と話す。
釜石新聞NewS
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