震災の教訓つなぐ「かまいし絆宣言」パネルに 地元水産会社が贈る


2021/08/26
釜石新聞NewS #文化・教育

「かまいし絆宣言」パネルの寄贈を喜ぶ絆会議メンバーら

「かまいし絆宣言」パネルの寄贈を喜ぶ絆会議メンバーら

 

 「私たちは伝え続けます 大震災から学んだことを 未来のみんなの笑顔のために 光輝く 未来へと」。釜石市の14小中学校でつくる「かまいし絆会議」が、東日本大震災の教訓継承のため今年3月に策定した「かまいし絆宣言」がパネルになり、市教育委員会と各校に届けられた。子どもたちは、さまざまな思いを紡いだ宣言を大切にし、内外に発信する気持ちを高めている。

 

 パネルの製作、寄贈は両石町の泉澤水産(泉澤宏代表取締役)と岩手銀行(田口幸雄頭取)による取り組み。同社が発行した、いわぎん「みらい応援私募債」の手数料の一部を活用した。

 

パネルを贈った泉澤さんの思いに子どもたちは耳を傾けた

パネルを贈った泉澤さんの思いに子どもたちは耳を傾けた

 

 8月5日、大町の市民ホールで絆会議が開かれるのに合わせ、贈呈式が行われた。泉澤代表取締役は「多様性を受け入れて多くの絆を結び、より良いまちをつくるリーダーに育ってほしい」と激励。岩銀釜石支店の野々村渉支店長は「宣言にある事柄を着実に実行してほしい」と期待した。

 

 贈られたパネルは全部で16枚。各校に配置されるのは縦45センチ、横60センチのパネルで、受け取った佐々木健心君(釜石東中3年)は「宣言に込めた思いを未来につなぎ、たくさんの人に発信していきたい」と感謝した。縦1メートル、横2メートルのものは市教委で保管。子どもたちの思いを多くの人に見てもらおうと、同ホールにもパネル(縦520センチ、横730センチ)を掲げることにしている。

 

高校生や大人を交えた絆会議で、小中学生が地域についての思いや考えを伝えた

高校生や大人を交えた絆会議で、小中学生が地域についての思いや考えを伝えた

 

 贈呈式の後に行われた会議では、9月25日の「絆の日」にちなんだ取り組みを話し合った。協働まちづくり推進に向け市民で構成する「かまいし未来づくりプロジェクト」、スーパーサイエンスハイスクール(SSH、文科省指定)として地域課題研究を行う釜石高の生徒らを交え、▽規則正しい生活▽地域防災▽釜石の良さ―などをテーマにした意見交換会も行った。

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