宇宙から帰還、釜石市の花ハマユリの種~花咲く未来に期待
ハマユリの種を手に笑顔でポーズを決める釜石小児童、長谷川代表理事(右)、野田市長(左)
東日本大震災から10年となる今年。被災地の復興を宇宙から発信する「東北復興宇宙ミッション2021」が行われた。被災地から集めたメッセージ、花や農作物の種などを国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げる取り組みで、釜石市も参加。宇宙を旅した市の花ハマユリの種が帰還し、7月26日、市に引き渡された。種は市の担当部局が育て、市内の学校や公園に植える予定。
宇宙ミッションは福島、宮城、岩手の被災3県の市町村で結成する実行委員会の主催。一般財団法人ワンアース(茨城県龍ケ崎市)が企画し、事務局を務める。震災の記憶と教訓、復興支援への感謝を伝えるメッセージや写真、植物の種などを宇宙に送り、3月11日には野口聡一飛行士がISSからメッセージを発信した。
ハマユリの種は平田・佐須地区の岩場から採取。震災の津波で水没したが、その年の夏に花を咲かせ、復興に向かう住民らの支えになったという。6月に米航空宇宙局(NASA)のロケットで宇宙に飛び、ISSに約1カ月“滞在”。7月10日に地上へ戻った。
長谷川代表理事(左)から種を受け取る子どもたち
受領式は市役所で行い、実行委事務局長を務める同法人の長谷川洋一代表理事が野田武則市長や釜石小の6年生3人に種を手渡した。長谷川代表理事は「地域を元気に、他のまちと交流していけるか、種を生かした取り組みを考えてほしい。本当の意味はこれから始まる」と期待。野田市長は「大事に育てていく。花に関わる子どもたちの成長も楽しみにしたい」と感謝した。
小澤和史君は「宇宙に行った貴重な種をありがとうございます」とお礼の言葉。防災マップ作りなど震災学習に取り組んでいることを伝え、「震災の出来事、経験した人の思いを語り継ぎたい」と気持ちを強めた。そもそもハマユリの花を見たことがないという佐々木友香さん、関悠汰君は「きれいに咲いたのを見たい」と期待を膨らませた。
釜石新聞NewS
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