命を守る行動確認 鵜住居小と釜石東中、下校時に合同避難訓練


2021/07/01
釜石新聞NewS #防災・安全

津波避難階段を上って避難する鵜住居小と釜石東中の児童生徒

津波避難階段を上って避難する鵜住居小と釜石東中の児童生徒

 

 釜石市鵜住居町の鵜住居小(堀村克利校長、児童146人)と釜石東中(米慎司校長、生徒97人)は6月24日、地震と津波を想定した下校時合同避難訓練を実施した。東日本大震災時に中学生が小学生の手を引き、率先して高台に避難した両校。いつかまた起こりうる津波に備え、自分の命を守るための適切な行動を確認した。

 

 日本海溝沿いを震源とするマグニチュード(M)9・1の地震が発生したとの想定。スクールバスや自転車、徒歩で下校途中に防災行政無線から地震と大津波を知らせる警報が流れると、児童生徒はしゃがんで低い体勢を取ったり、持っていたカバンなどで頭を守った後、近くの指定避難場所などに向かった。

 

警報が流れると、児童生徒はその場でしゃがみ込んだり、カバンで頭を覆ったりして身を守った

警報が流れると、児童生徒はその場でしゃがみ込んだり、カバンで頭を覆ったりして身を守った

 

 このうち日向・新川原地区の子どもたちは、長内集会所近くにある高さ19メートルの三陸道管理施設に続く80段超の階段を急ぎ足で上った。「もう少しだよ」などと中学生や小学校高学年の児童が他の子に声を掛ける姿も見られた。

 

高台を目指し階段を駆け上がる子どもたち。命を守る行動を体験しながら確認した

高台を目指し階段を駆け上がる子どもたち。命を守る行動を体験しながら確認した

 

 鈴木龍雅君(鵜住居小1年)は「サイレンも階段も怖かった。体験してみて、どう行動すればいいか、分かった。少し安心できた」とうなずいた。

 

 鵜住居周辺地域の指定避難場所(津波災害緊急避難場所)は、両校の校庭を含め36カ所ある。訓練は登下校中に地震に遭遇したり、警報が鳴ったとしても逃げられるように各自が避難先を把握すること、それぞれの状況に応じて「どう行動すれば、より早く、安全に、近くにある高台に避難できるか」を考えてもらうのが狙い。子どもたちは数ある選択肢から判断する力を鍛える機会にもした。

 

菅原悠汰君(釜石東中1年)は「もし本当に災害が起こったらパニックになると思うけど、今日みたいに落ち着いて判断し、行動したい」と意識を高めた。

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