吉浜釜石道路 荒川トンネル貫通〜唐丹小児童 祝いのソーラン、18年度開通へ見通しも明るく
大船渡方面の坑口から、建設中の唐丹第1高架橋を望む
「復興道路」として整備が進む三陸沿岸道路・吉浜釜石道路(大船渡市三陸町吉浜―釜石市甲子町14キロ)の荒川トンネル(1169メートル)が貫通し、1日、現地で式典が行われた。工事関係者や唐丹小の児童ら約150人が参加。節目の貫通に、関係者は「目標とする2018年度開通も見えてきた」と喜んだ。
貫通発破のスイッチを押す野田市長や唐丹小の児童ら
貫通式典は、工事を請け負う大林・富士ピーエス特定建設工事共同企業体が主催。野田武則市長と唐丹小の児童代表らが発破のスイッチを入れると、ドドンという大きな音とともにトンネルの穴をふさいでいた幕が落とされた。作業員らが樽(たる)みこしを繰り出し、唐丹小の5・6年生20人が「よさこいソーラン」を披露。最後に参加者全員で万歳三唱し貫通を祝った。
万歳三唱で荒川トンネルの貫通を祝う関係者
野田武則市長は「震災で亡くなった多くの犠牲者があって整備が進む”尋常ならざる道路”ということに思いをはせ、一日も早い完成を願う」とあいさつ。工事を発注した国土交通省南三陸国道事務所の金ケ瀬光正所長は「トンネルは工期内で貫通した。18年度開通も見えてきたのではないか」と述べた。
荒川トンネルは、釜石南インターチェンジ(IC)と釜石唐丹IC(共に仮称)の間にあり、14年9月から掘削が進められてきた。事業費は約103億円。吉浜釜石道路に建設されるトンネルのうち2番目の貫通で、道路全体の完成は18年度を見込む。
吉浜釜石道路には5本のトンネルと3つの橋が建設されるが、1千メートルを超えるトンネルは荒川トンネルなど3本。工事は約75%まで進んでおり、新鍬台トンネル(3330メートル)は今秋、唐丹第3トンネル(2998メートル)は来春の貫通を見込む。
(復興釜石新聞 2016年6月4日発行 第492号より)
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