釜石、遠野の消防団7チーム 操法競技で訓練成果発揮 釜石7分団1部の2選手個人賞獲得

小型ポンプの部(写真上)とポンプ車の部(同下)で競い合った第14回遠野釜石地区支部消防操法競技会=釜石市鈴子町
公益財団法人岩手県消防協会遠野釜石地区支部主催の第14回消防操法競技会は6月28日、釜石市鈴子町の釜石消防庁舎東側防災空地で開かれた。遠野、釜石、大槌3市町持ち回りで2年に一度開かれる競技会。釜石市が会場となるのは東日本大震災後、初めてとなる。2市の消防団から計7チーム(出場登録38人)が出場し、「ポンプ車」と「小型ポンプ」の2種目で、訓練習熟の成果を競い合った。両種目の優勝チームは7月26日に県消防学校(矢巾町)で開かれる県大会に出場する。
同競技会は消防団員の消火技術向上と士気高揚を図るのが目的。開会式で大会長の菊池録郎支部長(釜石市消防団長)は「積み重ねてきた訓練の成果を十分に発揮してほしい。競技を通じて互いの技術を高め合い、消防団活動のさらなる充実につなげてもらえれば」とあいさつ。開催地の釜石市から、ポンプ車の部に出場する第7分団第1部の指揮者小林悟班長が選手宣誓をした。

菊池録郎大会長(釜石市消防団長)が出場選手を激励(写真右上)。釜石市の第7分団第1部指揮者の小林悟班長が選手宣誓した(同左上)

ポンプ車の部は3チームが競技。釜石大槌地区、遠野市の両消防本部職員が審査員を務め、隊員一人一人の動作を採点

ポンプ車の部に出場した遠野市の第9分団第2部。これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮
ポンプ車の部には3チーム(遠野2、釜石1)、小型ポンプの部には4チーム(遠野3、釜石1)が出場。両種目交互に競技が行われた。ポンプ車は5人、小型ポンプは4人で操作。指揮者の操作開始の号令から、水利の確保、ホースの延長(3本結合)、放水、収納、点検報告、解散まで全ての動作が審査対象。各隊員の行動審査得点(持ち点からの減点方式)、計時審査(タイム)得点、総合審査得点の合計で順位が決まる。審査では士気・規律、動作の迅速さ・確実さ、チームワーク、安全性などが見られる。
釜石市からの同競技会出場は2018年以来8年ぶり。ポンプ車の第7分団第1部(栗林町)、小型ポンプの第5分団第4部(甲子町一の渡)ともに競技順1番での出場となり、緊張もあったが、駆け付けた仲間や地域住民の声援を受けながら全力で競技に挑んだ。

ポンプ車の部に釜石市から出場した第7分団第1部。5月から訓練を重ねてきた

釜石の7分団1部は2人が競技会初出場。先輩団員の指導を受け機器操作技術や規律を高めてきた

小型ポンプの部に出場した釜石市の第5分団第4部はトップバッターで競技

釜石の5分団4部は新人1人を含むチーム編成。仲間の応援を受け全力を尽くす
大会の結果、ポンプ車の部は遠野市の第9分団第2部、小型ポンプの部は遠野市の第10分団第5部が優勝。同支部代表として県大会に出場することになった。小型ポンプ優勝の10分団5部は前回大会に続き2連覇。指揮者の佐藤永治班長(41)は「5月下旬からほぼ毎日練習してきた。体に染み付いていて、それがしっかり発揮できたと思う」と成果を確信。前回の県大会では3位に入っており、「細かい規律の部分などをさらに強化し、目標としてきた県大会優勝を成し遂げたい。メンバーは全員経験者。後はどれだけ自分に自信を持ってやれるか。迷いがあるとその分遅くなるので」とさらなる高みを目指す構え。

ポンプ車の部で優勝した遠野市の第9分団第2部。表彰を受け笑顔を見せる

小型ポンプの部で優勝した遠野市の第10分団第5部の競技。他チームを引き離す高得点をマークした

前回大会に次ぐ優勝を果たし、県大会出場を決めた遠野の10分団5部。県大会でもトップを狙う
また、今大会から「優秀選手賞」が設けられ、ポンプ車は指揮者と1~4番員、小型ポンプは指揮者と1~3番員それぞれの成績優秀者が表彰された。釜石市からは7分団1部の2人が受賞した。1番員で出場した小笠原雄光さん(31)は「8年ぶりということで体が追いつくか」と心配もあったが、「任命されたからにはやるしかない」と動画で復習を開始。1カ月半余りの訓練で感覚を取り戻しつつ、さらなる技術向上に取り組んできた。個人賞受賞に「まさか自分がとれるとは」と驚きと感謝を口にし、「これを励みに日頃の団活動に一層精進していきたい。操法をはじめ消防団の魅力をアピールしながら、減少傾向にある団員を増やすことも意識してやっていきたい」と今後の活動を見据えた。

「優秀選手賞」を受賞した釜石市の第7分団第1部、1番員の小笠原雄光さん(右)と4番員の三浦仁班長(左)

チームとしては3位ながら、努力の跡を見せた釜石の7分団1部メンバー。充実感をにじませる
もう一人の受賞は4番員の三浦仁班長(51)。競技会出場は3回目で、「先輩方の教えを忠実に守り実践したことで、いい結果につながったと思う」と指導してくれた先輩団員に感謝。これまでの努力が報われたことにも喜びを表した。今回は新人2人を迎えての競技。「部全体のレベルアップの機会になった。今後起こりうる災害にも団員の力を結集して対応していきたい」と気を引き締めた。
今回の競技会ではもう一つ、初の試みがあった。開会式や表彰式で指揮者の号令とともに吹鳴するラッパ隊はこれまで開催地の隊が担ってきたが、今回初めて3市町の隊員が合同で演奏。総勢21人が団員の士気高揚に一役買った。

3市町のラッパ隊が合同吹鳴するのは初の試み。21人が心を一つに高らかな音を響かせた
大槌町消防団は4月に発生した大規模山林火災の影響で競技の出場は断念したが、「セレモニーを一緒に盛り上げたい」とラッパ隊員8人が合同吹鳴に参加。小笠原純一隊長(54)は「人数が増えると音色に幅やボリュームが出て一味違う」と初の機会を喜んだ。競技中は出場チームの頑張りを見守った。

大槌町消防団のラッパ隊メンバーも参加。団の誇りを音色に乗せて…(写真上)
ポンプ車で出場の釜石市の7分団1部は同山林火災発生当日、6分団とともに吉里吉里の現場に駆け付け、夜通しの消火活動で民家への延焼を食い止めた。小笠原隊長は消火協力への感謝の気持ちも込めて応援。「操法訓練で身に付けた基礎的技術があってこそ、火災現場で事故なく迅速に対応できる」とその意義を強調し、2年後の大槌町開催の競技会には「ぜひ、当団からも出場チームを出せれば」と願った。

釜石新聞NewS
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