不法投棄はダメ!片岸海岸に「バスターズ」出動 地元釜石の環境団体 初企画の清掃活動


2026/03/25
釜石新聞NewS #地域

投げ捨てられていたとみられるごみ袋を回収する参加者

投げ捨てられていたとみられるごみ袋を回収する参加者

 
 釜石市片岸町の片岸海岸で3月16日、約70人が参加する清掃活動「不法投棄バスターズ」があった。2月下旬に一般ごみの不法投棄現場を発見した「かまいし環境ネットワーク」(加藤直子代表)が「広く現状を知ってほしい」と初めて企画した。「どうして、こんなものを…」と言葉をなくす参加者たち。海辺の景観を守る取り組みを通じ環境問題を考える機会にした。
 
 活動の場は、大槌湾を臨む県道231号沿いの斜面。自然保護活動に取り組む同団体のメンバーが付近を通った際に大量のごみが投げ捨てられているのを見つけた。市指定のごみ袋に入った家庭ごみ、バーベキューの残骸、ペットボトルや空き缶なども散乱。事前に確認した加藤代表(79)によると、付近では常習的にポイ捨てが行われているもようだが、「あまりにもひどい。悪質」と憤る。
 
片岸海岸に向かう県道231号沿いに捨てられたごみ

片岸海岸に向かう県道231号沿いに捨てられたごみ

 
県道を歩いて活動場所に向かう参加者。左下には白い物体が散乱

県道を歩いて活動場所に向かう参加者。左下には白い物体が散乱

 
 同団体は年に数回、「海ごみゼロウィーク」(環境省、日本財団主催)の全国一斉清掃キャンペーンなどに合わせて活動している。加藤代表は「自分たちで片づけてしまうこともできるが、それでは啓発にならない。ごみを捨てていいと思われないよう、たくさんの人に現状を見てもらいたい」と、今回のバスターズを計画。新聞紙面などで広く参加を呼びかけたところ、普段の3倍以上の“人の手”を得た。
 
中学生、高校生、地域住民が協力してごみ拾い

中学生、高校生、地域住民が協力してごみ拾い

 
プラスチック片など細かなごみもできる限り拾い集めた

プラスチック片など細かなごみもできる限り拾い集めた

 
 初参加の市民、市や県の環境関係課の職員らに交じり、中高生の姿も。力を合わせ、海岸一帯で約1時間にわたり、ごみを拾い集めた。2月の発見時とほぼ変わらない状態の道路脇の斜面には飲食料容器などが詰め込まれたビニール袋、衣料品、キャンプ・アウトドア用品などが放散。クッションや敷布団、塗料がはげた置物、大型のものでは洗濯機の洗濯槽などもあった。集められたごみの量は約250キロにもなった。
 
片岸海岸付近に不法投棄されたごみ。総重量は200キロ超

片岸海岸付近に不法投棄されたごみ。総重量は200キロ超

 
集められたごみを軽トラックに積み込む釜石市の職員ら

集められたごみを軽トラックに積み込む釜石市の職員ら

 
 「自分が住む地域にこんなにゴミがあるなんて、悲しい」と話したのは、釜石東中2年の岩洞涼星さん。この海岸を利用する機会はあまりなかったが、釣りやサーフィンなどを楽しむ人もいることを聞き、「ポイ捨てが多いと、地域外から来た人たちが悪い印象を受けるかもしれない。いい思い出を持ち帰ってもらえるようにしたい」と、作業に励んだ。目立ったのは、たばこの吸い殻と空き箱。「ごみを捨てるのを見かけたら声をかけるのが大切だと思う」と受け止めた。
 
 東中では新聞記事を見た教員らが働きかけ、それに応えた1、2年の生徒有志約20人が活動に協力。ごみを拾い、きれいになった海岸を見渡し、「きもちいい」とすがすがしさを共有した。
 
片岸海岸で行われた「不法投棄バスターズ」の参加者

片岸海岸で行われた「不法投棄バスターズ」の参加者

 
 釜石商工高機械科1年の鈴木蒼さんも掲載された記事を読み「現状を見たい」と、同級生の望月翔太さんを誘って参加した。市南部の平田地区で暮らし、通学路に落ちたごみを拾うなど環境保全の意識は高い。今回の参加を機に、同団体の活動や不法投棄についてさらに理解を深めた様子。「身の回りのどこにでも、ごみは出てくる。正しく廃棄し、処理することが大事。自分にできることを考え、行動したい」と刺激を受けた。
 
身近にある海辺の環境を守ろうと企画された清掃活動

身近にある海辺の環境を守ろうと企画された清掃活動

 
ごみの不法投棄がもたらす環境への影響を訴える加藤直子代表(手前)

ごみの不法投棄がもたらす環境への影響を訴える加藤直子代表(手前)

 
 加藤代表は、若い年代の参加を歓迎。「地域の人たちが大事にしている海岸。ごみが一つでもあると、捨ててもいいと思う気持ちが膨れ上がる。道行く人がごみを捨てる地域って、どう思う?…自分たちが暮らすまちにもっと目を向けて生活してほしい」と願った。

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