6年目「かまいし軽トラ市」スタート 初回はトモスdeマルシェと一緒に 買い物&遊び楽しむ3時間

今年度1回目の「かまいし軽トラ市」=17日、うのすまい・トモス広場
地元の農林水産物、菓子などの加工品販売で人気の「かまいし軽トラ市」(釜石市主催)が今年も始まった。全4回の初回は8月17日、鵜住居町のうのすまい・トモス広場が会場。かまいしDMC主催の「トモスdeマルシェ」と同時開催され、買い物や各種体験で来場者が楽しい時間を過ごした。
軽トラ市は地元生産者の販路拡大、地産地消、交流の場創出などを目的に2020年度から始まった。農作物の収穫時期に合わせ、夏から秋にかけ月1回開催。市民ホールTETTO前広場での単独開催のほか、市内各イベントとの同時開催で集客を図る。6年目の今年は11月までの開催を予定する。

二本松農園(鵜住居町)は早生品種のリンゴ「紅ロマン」やリンゴジュースを販売
17日、出店したのは9店。農園や産地直売所、水産加工品販売店などがイチオシの商品を持ち寄った。人気はナスやトマト、キュウリ、枝豆などの夏野菜。採れたて新鮮、直売ならではの価格の安さに買い物客は笑顔を広げた。子どもたちが歓声を上げたのは、無料のピーマン釣り。釜石・大槌地域農業振興協議会の企画で、挑戦者は流れるミニプールに浮かんだピーマンと格闘。楽しみながら食材をゲットした。

釜石・大槌地域農業振興協議会の「ピーマン釣り」。ペーパークリップが“釣り針”
元同市地域おこし協力隊員で、現在は兼業農家の三科宏輔さん(29)は橋野町青ノ木で、複数の野菜をビニールハウスや露地で栽培している。この日は、市が栽培促進を目指すトマト「すずこま」を使ったトマトジュースを販売。トマト本来の甘さ、酸味をダイレクトに味わえ、料理にも使える無添加の一品を来場者にアピールした。同ジュース販売は3年目に入るが、「今年はすずこまのハウスがアナグマなどの野生動物に荒らされる被害があり、収量確保が厳しい状況。他の生産者さんの協力を得て、何とかジュース加工ができれば」と三科さん。

「すずこま」が原料のトマトジュースを販売した三科宏輔さん
同時開催のマルシェには同市と近隣市町から22店が出店した。飲食の移動販売車や商店などが自慢の“おいしいもの”を販売したほか、ハンドメイド作家が販売と合わせワークショップを開催した。
会場内を回って商品を積極的にPRしたのは釜石東中の3年生。生徒ふんする同校の防災キャラクター「てんでんこレンジャー」が地元産の塩蔵ワカメの購入を呼び掛けた。商品は生徒が漁業体験学習で芯抜きを行い、真空パック詰めにしたもの。販促用のオリジナルシールも貼った。この日は地域貢献として、生徒16人が販売活動を展開。用意した約50袋は1時間ほどで完売した。

「塩蔵ワカメいかがですか~」 自分たちで芯抜き、袋詰めした商品を販売した釜石東中の3年生=トモスdeマルシェ

「てんでんこレンジャー」も呼び込みに活躍(右上)。完売後、笑顔を輝かせる生徒、教職員ら(下)
震災後、同校の漁業体験を受け入れるNPOおはこざき市民会議の佐藤啓太理事長(43)は「東中は比較的海に近いが、多くの生徒は船や漁業との縁はほとんどないようだ。体験学習は郷土愛を育むためにもいい取り組み。将来の担い手育成にもつながればうれしい」と期待を寄せた。
「Q&Tタピオカ屋」の店名でジュース類を販売したのは門間真由美さん(40)。イベント出店をメインにしていて、タピオカドリンクや生のフルーツが入ったナタデココジュースがお薦め。2019年に鵜住居町に移住した後、同事業を立ち上げ3年目。現在は夫の仕事の関係で埼玉県に暮らすが、「釜石でできたご縁を大事にしたくて、お声掛けいただくたびに出店に帰ってくる。鵜住居に戻ってこられたら常設店舗を持ちたい」と夢を描く。顔なじみの来店客も多く、店頭では再会を喜び合う姿も見られた。

タピオカ、ナタデココドリンクを販売した門間真由美さん(左から2人目)。一緒に帰省した子どもらが接客を手伝った
マルシェでは体験型企画も好評だった。鵜住居町内会はメダカ、金魚すくいコーナーを開設。日本製鉄釜石シーウェイブスは選手2人が参加し、ラグビーボールを使った「ターゲットウォール」で来場者と交流した。

鵜住居町内会による夏の好評企画「メダカ、金魚すくい」。多くの子どもたちが挑戦した

日本製鉄釜石シーウェイブスが開設した「ターゲットウォール」。川上剛右、アンガス・フレッチャー両選手が来場者と交流した
昨年11月、県内陸部から同町に移住した小田中智さん(70)夫妻はトモスで開催されるイベントを楽しみにする。「いろいろな店があっていい。野菜も安いし、好きな団子もよく買いに来る。今度、盆踊り大会(30日)もあるので、また足を運びたい」と声を弾ませた。
会場では両イベントの共通企画として、スタンプラリーも実施された。各店で商品を購入し、スタンプを3つ集めると、先着150人に釜石産採れたて野菜をプレゼントするもの。野菜は数種類用意され、客が好きなものを選んだ。次回の軽トラ市は9月28日に大町の市民ホールTETTO前広場で開かれる。時間は午前10時から正午まで。

釜石新聞NewS
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