どれだけ知っている?「魚のまち釜石」 岩大生初企画の検定に市民が挑戦 成績優秀6人を表彰


2023/01/31
釜石新聞NewS #産業・経済

「第1回釜石さかなと海の検定」の成績上位者ら

「第1回釜石さかなと海の検定」の成績上位者ら

 
 「鉄と魚とラグビーのまち」釜石に“新検定”登場! 釜石市で学ぶ岩手大農学部食料生産環境学科水産システム学コースの4年生有志5人は、地元の海に生息する魚や漁業にもっと関心を持ってもらおうと、「釜石さかなと海の検定」を初めて企画。昨年12月18日、小学1年生から80歳までの市民21人が挑戦した。難問ながら「楽しかった」と、新たな試みを喜ぶ挑戦者ら。今月15日には成績上位の6人が表彰された。
 
 検定は同市の学生活動支援事業補助金を活用して実施。小中学生、一般(高校生以上)の2部門で参加者を募集した。参加資格は市内に在住または勤務する人(小学生以上)。小中学生は40問、一般は70問の出題で、4つの選択肢から正解を選ぶ方式。制限時間は小中学生が30分、一般は60分に設定された。
 
 釜石独自の問題は学生自ら考えた。魚介類の名前、生態、魚へんの漢字の読み方、魚食、漁船、漁港に関することなど幅広い知識を試す内容。歴史や地理にまつわる問いも盛り込んだ。学生らは地元水産関係者の協力で、予備を含め約200問を作成。初回ということで、難易度の判断は手探りだったが、厳選した良問が出題された。
 
昨年12月に岩大釜石キャンパスで行われた検定試験(左下は一般の部)=写真:主催者撮影

昨年12月に岩大釜石キャンパスで行われた検定試験(左下は一般の部)=写真:主催者撮影

 
 検定試験は同市平田の岩手大釜石キャンパスで行われ、小中の部に9人、一般の部に12人が挑んだ。試験終了後には答え合わせ、問題解説の時間も。集めた解答用紙は学生が採点し、昨年中に結果を郵送した。年明けの今月、各部の成績上位3人を表彰する場が設けられた。対象者には表彰状と、副賞として活ホタテ(ヤマキイチ商店)や三陸海宝漬(中村家)が贈られた。
 
 小中の1位となった金野龍真君(双葉小4年)は、スーパーでチラシを見つけて応募。検定に向け、図書館から魚の本を借りたりして勉強したというが、「やったのは1問も出なかった…」とちょっぴり残念そう。それでも、普段から父と海釣りに出かけているというだけあって、「お父さんとおしゃべりした知識が生かされたのでは」と母が代弁。自身は「魚が好き。もっと勉強して2回目も絶対受ける」と意気込んだ。
 
小中学生の部1位の金野龍真君。副賞のホタテを贈られ笑顔!

小中学生の部1位の金野龍真君。副賞のホタテを贈られ笑顔!

 
表彰状を贈られる一般の部1位の佐々木昌貴さん(左)。正答率トップだった

表彰状を贈られる一般の部1位の佐々木昌貴さん(左)。正答率トップだった

 
 一般の1位は唐丹町の公務員佐々木昌貴さん(55)。子どものころから地元の海魚や漁に魅せられ、関連場所などを訪問。「いつか知識を試せる場があれば」と願っていた。今回は絶好の機会。1位という結果に「たまたま知っているのが出たから」と謙遜するが、正答率は参加者中最高の81%。「中身としては難しいが、バランス良く出題されていた。さらに学びを深めたい」と知る楽しさを実感。次回検定を心待ちにした。
 
 主催した学生のリーダー井田幸助さん(22)は「参加者が喜んでくれて何より。子どもたち向けにタッチプールもやったので、海の生物を身近に感じてもらえたのでは。こういう機会を通じて地元の海や魚に興味を持ち、知識を広げてほしい」と願った。
 
子どもたちは海の生き物と触れ合うタッチプールも体験=写真:主催者撮影

子どもたちは海の生き物と触れ合うタッチプールも体験=写真:主催者撮影

 
 同検定は現3年生が引き継ぎ、来年度も開催する方向。学生たちをサポートした同大三陸水産研究センター特任専門職員の齋藤孝信さん(61)は「初めてで、比較的ハードルの高い問題になってしまった。各設問の正答率などを分析し、次回の問題作成に生かしたい。検定が代々続いて、釜石市の水産振興にも役立てれば」と期待する。第1回検定の問題と解答は小佐野町の市立図書館に収蔵され、閲覧可能となっている。

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