衰えぬ意欲、挑戦を作品に込め 釜石市民絵画教室、3年ぶりの作品展
創作への精進ぶりを公開した釜石市民絵画教室の会員たち
釜石市民絵画教室(小野寺豊喜会長、会員13人)の第41回「わたくしたちの絵画展」は1日から3日まで大町の市民ホールで開かれた。新型コロナウイルスの影響で、展示会開催は3年ぶり。会員と講師の菊池政時さんが83点を出品し、多くの絵画ファンや仲間が多様な表現を楽しんだ。
作品は同教室で取り上げた花や魚の静物、スケッチ旅行で訪れた風景など共通したテーマのほか、個々の好み、挑戦するモチーフが並び変化に富んだ。画材も水彩、油彩、パステル、色鉛筆、ボールペンと、さまざま。小野寺会長(73)は「会員それぞれが継続してきた活動が実を結びつつあり、力のある作品を展示することができた。会員の高齢化は進むが、何を描きたいか目標や焦点を定めたり、大きい作品に挑戦しようと、創作する意欲、表現技術は高まっている」と充実感をにじませた。
動植物や自然風景などを描いた作品が並んだ絵画展
甲子町の鈴木光幸さん(72)は、第74回岩手芸術祭で洋画部門賞を受けた「絵画展後のひと時」(F50号、水彩)、甲子川で仲むつまじく羽休めするマガモのつがいを描いた「春を待つ」など8点を並べた。退職後、「第2の人生は絵を生きがいに」と創作を始めて4年目。「まだ、いろいろ描いてみたい時期。人前で展示させてもらうことを考えていなかったが、少しでも良い絵にしたい。『いいね』と言ってくれる人もいて、描く楽しみが大きくなっている」と意欲を膨らませる。
会員は作品に込めた思いを伝えながら来場者と交流した
同教室は1978年度、市の社会教育講座としてスタート。その後自主活動グループに移行し、学習、作品発表を続ける。絵画展は、学習会場となる旧市民文化会館展示室で年度末に開いていた。2011年の東日本大震災は32回目の展示会期間中で、作品は津波にのみ込まれた。作品を回収し、泥を取り除いて修復した作品を加えた絵画展を12年に再開、教室継続の〝のろし〟をあげた。
教室は毎月2回、隔週水曜日に青葉ビルで開く。合評会、スケッチ旅行(コロナ禍でここ数年は実施を見送る)を経て、絵画展で1年間の成果を示す。市芸文祭にも参加する。
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