タクシー事業者も支援求める、県協会釜石支部〜買い物代行利用券など提案


2020/04/24
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

 

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による外出自粛などで利用者が大きく減っている釜石市内のタクシー業者らが16日、タクシーを活用して高齢者向けの新たな事業を立ち上げるなどの支援策を講じるよう市に求めた。要望に対し野田武則市長は「タクシーを含め市独自に市内の事業者への支援策を急いでとりまとめたい」などと応えた。

 

 要望したのは県タクシー協会釜石支部(岩松松生支部長、10事業者)に所属する5つの事業者と乗務員が加盟する連合岩手釜石・遠野地域協議会などの労働団体。苦境にあえぐタクシー事業者の支援を視野に、外出の機会が減っている高齢者の生活を支える取り組みとしてタクシーや買い物代行の利用券を配布する事業などを立案。これをまとめた要望書を釜石タクシー(大町)の小澤伸之助社長が代表して野田市長に手渡し、実現するよう求めた。

 

 市内タクシー5社の3月の利用実績は前年と比べて3割から4割減っているという。4月はさらに減る見込み。事業者らは「このままではコロナの影響が収束する前に地元企業が倒産などで消えてしまう。市独自の支援策を実行してほしい」と訴える。

 

 釜石タクシーの小澤社長は「乗る人がいないと事業は成り立たない。新しい取り組みの具体策はこれからだが、新しいことにチャレンジしなければ事業を継続することはできない。地域のニーズに応える新しい形のサービスを一緒に考えたい」と話す。文化タクシー(中妻町)の平松篤社長は「タクシー業者と労働団体が連携、協力して難局を乗り越え、事業を継続していきたい」と危機感を募らせる。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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