客足止まり飲食店悲鳴、新型コロナウイルス影響〜市の独自支援策要望


2020/04/24
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大で釜石市内の飲食店も大きな打撃を受けている。政府の会食自粛要請もあり、「客足がガックリと落ちた」と悲鳴が上がる。こうした窮状を受け、市内の飲食業者らが15日、市役所を訪ね、野田武則市長に支援策を要望。「このままでは店がつぶれてしまう。待ったなしの状況。一刻も早く市独自の支援策を」などと訴えた。

 

 要望に訪れたのは、釜石地区生活同業組合連絡協議会の藤井和幸会長のほか、釜石すし組合の細田勝夫組合長、釜石社交飲食組合の山崎公平組合長、釜石中華組合の坂本倉蔵組合長、釜石飲食業組合の平松正浩組合長。代表して平松組合長が野田市長に要望書を手渡した。

 

 コロナウイルスの影響で市内の飲食業者や宿泊業者(約90店)は利用者が激減、宿泊のキャンセルも相次いでいるという。要望書では「事業者の多くは東日本大震災で甚大な被害を受け、昨年10月の台風19号で再び被災。コロナウイルスの影響で二重、三重の苦難を強いられている。政府の救済策が不透明な中、事業継続か廃業かで揺れ動いている」とし、テナントの家主に賃貸料の支払い延期を求めるなど市の救済策を訴える。

 

 連絡協議会の藤井会長は「戦う相手は見えない敵。コロナの出どころが飲食店という風評被害もある。40年も店をやっているが、こんなに苦しい状況に追い込まれるのは初めて」と窮状を漏らす。

 

 「客がゼロの日もある。災害の一つと捉えてほしい」「自助努力ではどうにもならない。我慢にも限りがある。このままでは休業、廃業の道をたどるしかない」と嘆く事業者もあった。

 

 野田市長は「今月末にも県の支援策が発表されると聞いている。足りない部分を補う形で市独自の支援策を考えたい」などと回答。平松福寿産業振興部長は「スピード感を持ち、できる限りのことをやっていきたい」との姿勢を示した。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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