珍しいホヤの缶詰を商品化、津田商店「ほやバル」開発〜酒のつまみ、料理用におすすめ


2019/08/23
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

釜石市内で販売が始まった「ほやバル」

釜石市内で販売が始まった「ほやバル」

 

 釜石市鵜住居町の水産加工業津田商店(津田保之社長)はこのほど、地場産のホヤを使った缶詰「ほやバル」を開発した。9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)開催や三陸鉄道リアス線全線開通で観光客の増加が見込まれており、市場でも珍しいホヤの缶詰で三陸の味覚をアピール。市内の道の駅などの物販コーナーで販売している。

 

 三陸の海で育まれ、古くから食されてきたホヤは、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つの味を楽しめるといわれている珍しい食材。鮮度が命で、従来は採れたてを刺し身で味わうのが主だったが、近年では調理したものもお目見えし、ホヤの評価が高まっているという。

 

 同社では三陸の海の恵みを食卓に届けようと、地元のホヤを使った缶詰の開発を2017年に始めた。ひと手間加えることでさらにおいしく、手軽に家庭でバル(スペイン語で「食堂」との意)気分を楽しんでもらう「ほやバル」シリーズを商品化。県沿岸広域振興局の地域経営推進費「いわて三陸農林水産物知名度向上・新商品開発事業」を活用した。

 

 ほやバルは塩味のみでシンプルに仕上げた「プレーン」(ホヤ水煮)、ピリ辛トマトソースをからめた「アラビアータ」、スパイスを利かせたオリーブオイルに漬けた「アヒージョ」の3種類。いずれも90グラム入りで税込み500円。道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)、鵜の郷交流館「汐折」(うのすまい・トモス)で販売している。

 

ほやバル

ほやバル

 

 同社では、酒のつまみとしてそのまま楽しんでもらうのを期待。さらに、プレーンを使った炊き込みご飯やパスタなど料理用としての活用も薦めている。

 

 市内では10日から店頭に並んだ。道の駅釜石仙人峠の佐々木雅浩副駅長は「調理することで食べる年代の幅が広がる。資源の有効活用は三陸にとっていいことで、地元で愛される味になってほしい」と期待。地元の水産加工業者は他社ブランドの缶詰生産などを行っていることが多く、「津田商店の名で商品を届けることで、釜石の製造者が頑張っているとの発信にもなる」と歓迎した。

 

(復興釜石新聞 2019年8月17日発行 第816号より)

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株式会社津田商店
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