外資コンテナ定期便就航祝う〜釜石と中・韓を直接結ぶ、輸出促進 本県経済成長に期待
外国貿易コンテナ定期航路開設を祝い、期待を込めてテープカットする関係者
釜石港と中国、韓国とを直接結ぶ外国貿易コンテナ航路定期便の就航を記念する式典が17日、同港公共ふ頭で行われた。式典には関係者約60人が出席し、同日朝に着岸した韓国の大手船会社南星海運の定期便を前に、野田武則市長(釜石港湾振興協議会会長)ら8人がテープカット。運航開始を祝い、釜石港の輸出入促進による本県経済の成長に期待を膨らませた。
第1船の「STAR EXPRESS(スターエクスプレス)」(9520トン)は17日午前9時ごろ、ガントリークレーンが設置された公共ふ頭に着岸した。全長約143メートル、全幅22・6メートルで、953TEU(20フィートコンテナ換算)を積載できる。今回は空コンテナを陸揚げ。冷凍魚、線材、パルプなどを収納したコンテナ40個を積み、午後4時ごろ、次の寄港地・茨城県の常陸那珂港に向かった。
コンテナ専用船は今後毎週、釜石港に入る
定期航路は中国の上海、寧波から韓国・釜山、新潟、苫小牧、八戸を経て釜石に入港。常陸那珂などを経て上海へと周回する。同航路には同型コンテナ船5隻が就航。釜石には毎週金曜日に寄港する。また、南星海運は釜山を拠点に中国北部、東南アジアへの接続航路も確保する。
式典で野田武則市長は「港湾、復興道路の整備とともに、湾口防波堤で港内の静穏が守られる釜石港は企業の関心を集めている。歴史的瞬間を迎え、南星海運に感謝する」とあいさつした。
ソウルから駆けつけた南星海運の金庸圭(キム・ヨンギュ)社長は「当社は創立65年。24隻のうち15隻を日本、韓国、中国、東南アジアの38港に運航させる。これから、直航運航の強みを生かし、釜石港のさらなる発展に協力したい」と意欲を語った。
釜石港は東日本大震災の1カ月後には国際フィーダーコンテナ定期航路を再開し、年々取扱量を増やしてきた。昨年12月には本県初の1港2船社体制が整い、貿易手段の選択肢が拡大した。
課題は受け入れ機能の向上だったが、大型荷役機械のガントリークレーンが今年9月に供用開始。県は同ふ頭に、冷凍食料品などのコンテナに接続するリーファー電源(本設16口、仮設12口)を整備した。
釜石港のコンテナ取扱量は02年の16TEUに始まり、11年には256TEU、12年1759TEU、14年2631TEUと順調に増加。今年は11月3日現在で3034TEUに達した。今回の外貿定期航路就航で、さらに取扱量の上積みが促進される。
(復興釜石新聞 2017年11月22日発行 第641号より)
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